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「独りにて奈良の自宅でのんびりと花橘を詠める歌だと(十六年四月の五日、独り平城ナラの故宅フリヘに居りてよめる歌六首 大伴宿禰家持がよめる)」
「橘のにほへる香かも霍公鳥鳴く夜の雨にうつろひぬらむ(歌六首 1/6 #17.3916)」
「橘がにほう香か霍公鳥鳴く夜の雨にうつろいゆかん()」
「霍公鳥夜声なつかし網ささば花は過ぐとも離れずか鳴かむ(歌六首2/6 #17.3917)」
「霍公鳥夜声なつかし網を張れば花が散っても離れず鳴くか()」
「橘のにほへる苑に霍公鳥鳴くと人告ぐ網ささましを(歌六首3/6 #17.3918)」
「橘の咲き匂う苑に霍公鳥鳴くと人いう網を張るのに()」