2017/03/31
「カナリヤは逃げて春の日くれにけり(M33)」
「逃げられぬ子規はカナリア失って春が暮れたと落胆をせし()」
「いまはもう鳥を捕まえ飼うことを許してくれず不自由なるも()」
「鯡には春告げ魚の異名あり春に産卵岸辺に来たり(『春告魚の鯡』)」
「春になり東北地方の農夫・漁夫漁獲のひとで道に渡れり(『渡り漁夫』なる季語もある)」
「一番の渡り漁師や雪解風(碧梧桐/気重なり)」
「雲充ちて荷ぐるみ黒く渡る漁夫(千空)」
「一輪のアマナの花をくわえたる使者めく鳥が飛び立ちゆけり(鳥海明子)」
「ユリ科なり甘菜と書いて白い花暗紅色の細い線あり(花言葉:運が向いてくる)」
カナリア
2017/03/30
「髭剃ルヤ上野ノ鐘ノ霞ム日ニ(M35)」
「混乱が脳裏に浮かぶ句であるか鐘が霞むを聞くは複雑()」
「子規にとり髭剃ることも病床のひとつの行事鐘が霞むと()」
「春分の末候となる本日は春を告げいる春雷の声(『雷乃声を発す』)」
「稲妻の光は米の豊作をもたらすといい語源でもあり(『稲の夫ツマ』と言うこと)」
「雪に耐え時間トキを越えたる大根の素直に白い十字の花よ(鳥海明子)」
「野菜とてお世話になりし大根の花咲きたるをわたしは知らず(花言葉:適応力)」
「スズシロと春の七草の一つなり口に入るまで実態知ろう()」
大根の花
2017/03/29
「榛名笑ひ赤城泣き妙義怒る哉(M29)」
「山泣かせ山怒らせる子規の技スゴ技見たり感動をした()」
「赤城山忠治とともに泣くのかな妙義怒るは見なきゃわからん()」
「シルエット見せてクイズを作らんか当たれば子規の説は正しい()」
「桜咲くこの時期出まわる桜餅の品書き見ればつい手が出たり(『桜餅の品書き』)」
「氷菓なるガリガリ君に『桜餅』餅・餡ふくみ桜の味す()」
「桜餅の作り方にて西東少し違えり味は知らずも
(関東風:小麦粉の餅
,関西風:餅米で作った道明寺粉の餅)」
「塩漬けの桜の葉つぱ味うつりふくよかな香の餅たまらない()」
「雪解けの山の斜面を埋めて咲くカタクリの花そよぎ止まざり(鳥海明子)」
「片栗は紅紫ベニムラサキの花弁つくそよぎたつよにふらりと伸びる(花言葉:初恋)」
榛名山(笑う) 赤城山(泣く) 妙義山(怒る)
2017/03/28
「盗人の昼寝の上や揚雲雀(M25)」
「揚げ雲雀見たその主を泥棒に夜忙しと昼寝させたり()」
「盗人は夜忙しい理はあれど笑いは理さえ越えるものかな()」
「詐欺師などこの日暇する萬愚節(隆夫)」
「北国で織物等を雪の上に広げ日にあて干す雪ざらし(『雪晒』)」
「竹細工・藁細工など雪の上に晒し日をあて浄める意あり()」
「新潟で麻織物の雪晒し小千谷縮や越後上布の()」
「少年兵のままに還らぬ人が顕タちソメイヨシノは今年も咲きぬ(鳥海明子)」
「桜とはソメイヨシノが代表も他の桜もわれら恵みを(花言葉:優れた美人)」
雲雀
2017/03/27
「陽炎や石の仁王の力瘤(M34)」
「木造の仁王は知るも石のそれ見てみたいものその力瘤()」
「力瘤上腕だけと限らない脹ら脛かも陽炎に揺る()」
「田に水を引き入れるとこ水口といいて祈れる年の豊作(『水口祭』)」
「花咲けば種籾を蒔き苗にする苗代田には水口作る()」
「甘やかな香りただよう紫のヒヤシンス置く窓辺あかるし(鳥海明子)」
「棒のさき筒状なして花をつけ芳香を出すヒアシンスなり(花言葉:控えめな愛)」
「漢字では『風信子』なる字をあてて花色も多く楽しい花だ()」
石の仁王
