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「梯立ハシタテの 熊来クマキのやらに 新羅斧 落し入れわし 懸けて懸けて な泣かしそね 浮き出づるやと 見むわし(能登の国の歌三首 3878 右の歌一首は、伝云けらく、或る愚人カタクナヒト、斧の海底ウミに堕ちて、鉄カネ沈シヅきて浮かばざることを解サトらざりしかば、聊か此の歌をよみて喩サトせりき。)」
「梯立ハシタテの熊来クマキの沼に新羅斧落しちゃったよ決して決して泣かないで浮き上がるかもね()」
「梯立の 熊来酒屋に ま罵ヌらる 奴わし さすひ立て 率イて来キなましを ま罵らる 奴わし(#16.3879 右一首。)」
「梯立の熊来酒屋に怒鳴られる奴誘って一緒にいきたいが怒鳴られている奴よ()」
「香島嶺ネの 机の島の 小螺シタタミを い拾ヒリひ持ち来て 石もち つつき破ハフり 早川に 洗ひ濯ぎ 辛塩に ここと揉み 高坏タカツキに盛り 机に立てて 母に奉マツりつや 女メつ児の刀自 父に奉りつや み女つ児の刀自(#16.3880)」
「香島峰カシマミネ机の島の巻き貝を拾い持ち来て石をもち突っつき破り早川に洗ひ濯ぎて辛塩にここと揉み高坏タカツキに盛り机に立て母に奉マツるか愛らしい女父に奉るか愛らしい女()」
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「小説をいかに読むのか平野氏がスローリードの次に説くなり(平野啓一郎)」
「辞典にて『小説』なるを調べれば虚実交えた散文という(『稗史』という言葉から出た言葉)」
「世の中のあることないこと織り混ぜて小さくまとめ説くことという()」
「日本では坪内逍遥ノベルなる言葉を充てる英語にすれば(ノベルの意味がわからなければ意味ないが。『小説神髄』で)」
「小説の時間の持てる『矢印』は巻き尺のごと線で流れる()」
「想い出や未来を語る時あれどあくまでベースの時は流れる(舞台設定、登場人物、配置と出入り、プロットの展開、文体………)」
「ティンバーゲン説く動物の行動の基本は4つあるといいたり(『メカニズム、発達、機能、進化』という分類で)」
「小説も4つの視点で見ていけば全方位的判断できると(小説のメカニズムを考えることは、一番マニアックな読み方で作家寄り。)」