2015/10/31
「奥州の蒲生氏郷の家臣なる岡左内いて吝嗇なりし(/9:貧福論/)」
「経済は国家の基本と思えども武士はお金を卑しみ嫌う()」
「岡左内座敷に金を並べては眺めて愉しむ奇行のありし()」
「ある夜中黄金コガネの精霊現れて左内と話ししたいといえる()」
「中心の話題は金と倫理だが精霊云える『ほんらい別』と()」
「左内問う答えに八字残しては夜明けとともに消えてしまえり(『尭冥日呆 百姓帰家』)」
「残したる言葉は家康想起せし安定したる世になるという()」
「秋成は変人なりと言われおりどんな人かは知りてみたいが()」
「九話からなる物語英語ならサリンジャーなど思い浮かべり
(1:白峯
/2:菊花の約チギリ
/3:浅茅が宿
/4:夢応の鯉魚
/5:仏法僧
/6:吉備津の釜
/7:蛇性の婬
/8:青頭巾
/9:貧福論
/)」
2015/10/30
「病床の晶子が書きし『みだれ書き』新聞がいう遺歌出てきたと(A5版約40頁約90首)」
「東京のひ孫の家の納戸よりお宝が出る与謝野晶子の(短歌校正帳で1941.10~1942.01.02の日付あり)」
前:「わが立つは 十国峠 十国の山山にある 雲もうつくしき()」
後:「わが立つは 十国峠 光る海 胸に抱かぬ 山山もなし()」
「かくのごとく孵化した歌は平凡も成長しては屹立をせし()」
「還暦を過ぎて一息つけるころ病魔襲えり脳梗塞の(1940年5月脳内出血で右半身不随)」
「みだれ髪艶やかな歌数々を残せし人の晩年如何に(1878-1942)」
2015/10/29
「風入や五位の司の奈良下り(子規)」
「風いれる行事のことを曝風と正倉院では呼ばれていたと(昔は夏に行われていたが、明治二十八年から秋十月に変わった)」
「世の中の秋がゆくぞよ都人(子規)」
「世の中の秋とは何をいうのかな秋の行事の有名なもの()」
2015/10/27
「和歌の神住吉明神西行に上の句詠めと下の句をだす
(前シテ:翁
後シテ:社人
ツレ:姥
アイ:末社の神
ワキ:西行法師
)」
「西行が和歌の神さま住吉に参りに来たが日が暮れにけり()」
「西行は一夜の宿を爺ジジ婆ババに頼みたれども断られたり(みすぼらしいと)」
「月が見え雨音聴ける庵だが上の句つければ泊めてあげると(上の句:賎が軒端を葺きぞわづらふ)」
「たちまちに西行つける上の句を感心をして宿を貸したり()」
「庵では一竿風月友として花鳥風月楽しみたると()」
「夜も更けて寝入れば夢見に住吉の末社の神が現れ出でる()」
「先ほどの爺ジジ婆ババ実は住吉の明神さまと告げていきたり()」
「そんなとき住吉明神憑依した社人が喜び舞をおどれり()」
「舞い終えて神は離れて正気なる社人は下がる舞台の袖に()」
2015/10/27
「快庵は本旨極める禅師にて諸国行脚の修行をされる()」
「ある年に美濃で夏安居終えられて夏を奥羽で過ごさんとする()」
「旅重ね下野にいり富田なる里で一夜の宿を探せり()」
「宿乞えば山の鬼かと叫ばれて村人皆が取り囲みたり()」
「誤解解き夕食ヨウゲよばれて話聞く山のお寺の怖い話を()」
「山の僧里にも下りて交流もあることを機に豹変したり()」
「越の国戒師勤めて帰るとき童子ともない寺に連れ来る()」
「その童子見た目がよくて寵愛し仏道修行おろそかになる()」
「その童子病に倒れ亡くなれり僧は狂いて常軌を逸す()」
「死肉だが腐乱を惜しみ喰らいたり骨しゃぶりては寺人も逃ぐ()」
「緩めれば妖魔になるが貫きて修行積めれば仏になれる()」
「快庵が身を挺してはこの鬼の教化キョウゲをせんと山寺に入る()」
「食わんとし快庵探せど見えぬなり改心したいと教化を頼む()」
「紺染めの頭巾を被せ証道歌二句を解けよとお授けになる(江月照松風吹 永夜清宵何所為)」
「落ち着けど一年が経ち山寺の僧の生死がわからず恐れておりぬ()」
「快庵が奥州の帰途立ちよりて鬼の行方を確かめに行く()」
「縁側の辺りを見れば影のように人とも思えぬ僧がありけり()」
「蚊のような細い声にてぶつぶつと呟いており()」
「快庵は睨んで禅杖振りかざし一喝の後撃ちすえにけり()」
「かの男たちまち消えて縁石にかの青頭巾骨残れり()」
「この寺を改修をして快庵を住職として迎い入れたり(真言宗から曹洞宗にして、太平山大中寺として栄えた)」