2007/04/30
「任地へと行く少しまえ文にして源氏の心試さんとする
(空蝉が小君に託して)」
「問はぬをもなどかと問はでほどふるにいかばかりかは思ひみだるる(#37)」
「『どうしたの』と尋ねてくれず日がたちてどうなされたかと気持ち乱れる()」
「ねぬなはの苦しかるらん人よりも我ぞます田のいけるかひなき(拾遺集)」
「空蝉の世は憂きものと知りにしをまた言の葉にかかる命よ(#38)」
「この浮き世辛いものだと感じれどあなたの言葉で命救わる()」
「蔵人の妻となりたる荻のことこちらのほうもちょっかいを出す()」
「ほのかにも軒場の荻をむすばずば露のかごとを何にかけまし(#39)」
「かりそめも契りを結ぶことなくば何に恨みを託せばいいの()」
「ほのめかす風につけても下荻のなかばは霜にむすぼほれつつ(#40)」
「意味深な便りをもらいわが心なかばはあなたに心傾く()」
「懲りずまにまたもなき名は立ちぬべし人にくからぬ世にし住まへば(古今集)」
「懲りずまにまたも噂になるような浮気心を起こしたまえる()」
2007/04/29
「宵過ぎにトロトロすれば枕上美人が座り恨みこという()」
「もののけにおそわれいたる心地して紙燭も消えてひんやりとする()」
「紙燭つけ弓弦を鳴らし警護せよ命じたれどもすでに遅きか()」
「惟光を呼べど来たのは明け方で遅れきたるをうらめしとする()」
「夕顔の遺骸をはこぶ山寺へ東山なる尼子の元へ
(惟光の父の乳母だった人の元へ)」
「思うふとていとこそ人に馴れざらめしかならひてぞ見ねば恋しき
(拾遺集、右近が引用)」
「見し人の煙を雲とながむればゆふべの空もむつまじきかな(#36)」
「あの人を焼きし煙を雲と見りゃ夕方の空なつかしきかな()」
2007/04/28
「いにしえもかくやは人のまどひけんわがまだ知らぬしののめの道(#32)」
「昔からこのようにして惑うのか俺も知らないしののめの道()」
「山の端の心も知らでゆく月は上の空にてかげや絶えなん(#33)」
「よくしらぬあなたのあとにいたがえど途中でわれを捨ててはいやよ()」
「鳰鳥の息長川は絶えぬとも君に語らん尽きめやも(万葉集)」
「鳰鳥の息長川が枯れるともあなたに話すことは尽きない()」
「夕霧にひも解く花は玉ぼこのたよりに見えしえにこそありけり(#34)」
「覆面をとりて顔見せしたるのは通りすがりに見られた縁()」
「光ありと見し夕顔のうは露はたそがれ時のそらめなりけり(#35)」
「露をおびひかり輝く花と見し今見直せばそらめなりけれ()」
「夕顔と源氏が戯れて雑談す歌の一部を引用しつつ()」
「白波の寄せる渚に世をつくす海人の子なれば宿も定めず(和漢朗詠集)」
「海人の刈る藻にすむ虫のわれからと音をこそ泣かめ世をば恨みじ(古今集)」
「開会の聖火コースが決まりたり北京大会すぐそこに来た()」
「Tシャツが話題となれる北京では毛沢東と将介石の
(二人が並んだプリント模様入り)」
「台湾がお断りする中国の提案したる聖火コースを()」
「今日もまた金属ドロボー横行す室外機まで盗まれたとか
(中国の金属需要に対して供給するため盗む)」
2007/04/27
「その昔役行者が命じたる葛城の神に橋渡すこと
(一言主神に葛城山と金峰山の間に橋渡しを)」
「惟光の夕顔探る一件はかなり進みて報告があり()」
「あるときに頭中将とおりたり女童がいう随身の名を()」
「惟光のとりなしにより夕顔に通い始める光源氏は()」
「これまでと勝手が違いのめり込むどこがいいのか君もわからず()」
「夕顔は頭中将話したる失踪をしたとこなつの花()」
「八月の十五夜の日に屋敷出てすこし自由に語らんとする()」
「優婆塞が行ふ道をしるべにて来ん世も深きちぎりたがふな()」
「修験者の祈りをしるべに来世も深き契りを違いたまふな()」
「先の世の契りしらるる身のうさに行くすえかねて頼みがたさよ()」
「前世のつたない契り思えれば来る世のことは頼みがたきよ()」