そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

『遺恨あり』

2011年12月31日 | 字余り
12/31
『遺恨あり~明治十三年最後の仇討ち』という年末の番組を見た。藤原竜也が主人公の臼井六郎を演じ、仇役を小沢征悦が山岡鉄斎を北大路欽也、六郎を支えるなか役を松下奈緒がやっていた。
何がよかったかというとひとつに山岡鉄舟の人となりがわかったこと、二つ目は仇討ちと怨恨による殺人の違い、士族の面目がわかったことである。殺した方も命令でやったのだから、仕方ないといえばそれまでだがその殺し方と後の首の処理に尊厳がなかった。わたしの意見はその時点での価値観をもって『仇討ち』を是としたいが、法治国家として出発した日本の法による裁きをするという裁判官の悩みを吉岡が好演していた。
目的を達したあと川で切腹するのかと思わせて、刀を川に投げ込んだところははらはらとさせた。最後は自分の生家に帰っていくと、使用人だったなかが迎える。たぶん、なかと一緒に暮らして穏やかな後生を送ることを予感させて終わっている。
いい映画だと思いエンドロールをみていると吉村昭氏の作品だった。今年、3.11のボランティアの帰り『三陸海岸大津波』を読んでから吉村氏の文章を知ったが、端正な文章を書く人だと認識した。史実に基づく小説を書くということで山岡鉄舟の描写もあながち外れていないのだろう。臼井六郎は実在したんだろうか、機会があれば原文にも当たってみたい。
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「『遺恨あり』藤原竜也が演じたる最後の仇討ちなかなかによし()」
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万葉集#11.2505-11.2507

2011年12月30日 |  / 万葉集
12/30
「梓弓引きてゆるさずあらませばかかる恋には逢はざらましを(#11.2505)」
「梓弓引いたそのままいたのならこんな恋にはならなかったに()」

「言霊コトダマを八十ヤソの衢チマタに夕占ユウケ問ふ占ウラまさに告ノれ妹に逢はむよし(#11.2506)」
「道々の巷に居りし占師言霊コトダマ言わせ彼女に逢うから()」

「玉ほこの道行き占ウラに占なへば妹に逢はむと吾アレに告りてき(#11.2507)」
「玉鉾の道占えばお告げありあなたは彼女に逢えるとぞいう()」

「ここまでの93首は歌聖なる人麻呂歌集にあるといいたり(右ノ九十三首ハ、柿本朝臣人麿ノ歌集ニ出ヅ。)」
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杉原氏逝く

2011年12月29日 | 挽歌もどき
12/29
「杉原氏癌で逝きたり時来る寂しくなれりゴルフ界では(享年74才)」
「理論とは少し違えるスィングも距離を克服正確さにて()」
「マムシとか関西のドン等いわれるが本読みゃわかるIQ高い(平易に書かれていて頭がよくないと言えないことばかり)」
「生涯を現役目指し頑張るが最後の頃はテレビで指導()」
「()」
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万葉集#11.2502-11.2504

2011年12月29日 |  / 万葉集
12/29
「真澄鏡手に取り持ちて朝な朝サな見れども君は飽くことも無し(#11.2502)」
「真澄鏡手にして毎朝見るように見ていて君に飽きることなし()」

「夕されば床の辺去らぬ黄楊枕何しか汝ナレが主待ちがたき(#11.2503)」
「夕になりゃ床の辺にある黄楊枕どうしてお前主待てない()」

「解き衣の恋ひ乱れつつ浮草の浮きても吾アレは恋ひ渡るかも(#11.2504)」
「服を脱ぎ恋乱れても浮草の浮いても私恋続けます()」
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万葉集#11.2499-11.2501

2011年12月28日 |  / 万葉集
12/28
「我妹子に恋ひし渡れば剣大刀名の惜しけくも思ひかねつも(#11.2499)」
「わが妻に恋しつくせば剣太刀名が惜しくなるそんな思いに()」

「朝づく日向かふ黄楊櫛ツゲクシ古りぬれど何しか君が見るに飽かざらむ(#11.2500)」
「朝月の日向の黄楊櫛ツゲクシ古いけどどうして君を見るに飽きるか()」

「里遠み恋ひうらぶれぬ真澄鏡床の辺去らず夢に見えこそ(#11.2501)」
「里遠く恋しさ遠み真澄鏡床の近くで夢にも見えよ()」
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