暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

物売る人; 剪定鋏屋

2018年06月10日 00時19分38秒 | 日常

 

初夏の上天気が続く土曜のマーケットは活気があって気持ちがいいのだが今日は丁度この時期に合わせてなのか、テントの下に各種剪定鋏を実演販売する店が出ていて興味を惹いていた。 こんな口八丁手八丁で物を売る人たちを見るのが好きだ。 70年代に大阪で仕事をしていた時にしばしば千日前の珉珉で餃子をビールで喰ってから店を出た角に今はなくなってしまったけれど戦後の焼け跡から続くたたき売りの行商をする店があってそこで酔客に混じって1時間以上楽しいパーフォーマンスを見ていたことがある。 そんな人を集めて30分ほど面白おかしく客あしらいをしたあと本題の商品をたたき売りするのだがその話しぶりがベテランと修行中のものではまるで違って、ベテランの上手な口先に思わず乗ってしまいそうになる。 結局4年ほど一週間に一度ほどその店を眺めていたが一度としてものを買ったことはない。 そこで売っていたものはうちにあってもしかたのないものばかりだったからだ。

今の時期,上天気が続き庭の草木が青々と茂って来るとどこでも庭仕事に精を出す。 だからそんな時期に合わせてどこでも必要な剪定鋏を売っていた。 普通このような場所では女性をターゲットとした調理器具だとか銀食器の錆を落とすクリームだとか裁縫の便利器具だというものが多いのだが今回は男性をターゲットにしている。 ポイントは鋼がドイツのゾーリンゲンの特注で人間の体に合わせた使いよさ、とくに親指の付け根が大事でそれに負担をかけない、と言いながら客に握らせてどうだ、手に優しいだろうと言う。 外目には別にどうということもなくDIYの店であるようなものなのだが今日は特別価格で提供する、と来る。 それに納得したのか丁度家の鋏が壊れたからなのかそのうちの一人が買って鋏の入ったビーニールを受け取って去った。 それを潮に自分もそこを離れた。

ムール貝の揚げたのを立ち食いしながら近くのカフェーに入り白ビールを飲んだ。 1時間ほどそこにいて土曜の新聞を読んだ。 ビールは7割ほど飲んだが飲み切れず残してそこを出た。 教会の角のカフェーのテラスに二十歳代の日本人とみられる女性が二人いたので話しかけた。 一人はライデンに住んでいてアムステルダムで働きもう一人はオランダに来たばかりだと言った。 ポートレートを撮らせてもらおうと頼んだが断られた。 射撃の際の耳栓を補聴器を売る店で買おうと先ほどの剪定鋏屋のところに来るとまた日本人らしい男性がいたので声をかけた。 今日オランダに着いたばかりだと言った。 立ち話をして近くのカフェーに入りビールを飲みその後ジャズカフェーでセッションを一つ聴いて別れた。 今日はよく日本人に会う日だった。