Suburban Girl (2007)
97 min.
監督; Marc Klein
脚本: Marc Klein (screenplay), Melissa Bank (short stories "My Old Man" and "The Worst Thing a Suburban Girl Could Imagine" from the book "The Girls' Guide to Hunting and Fishing")
出演
Sarah Michelle Gellar Brett Eisenberg
Alec Baldwin Archie Knox
Maggie Grace Chloe
James Naughton Robert Eisenberg
Chris Carmack Jed
Vanessa Branch Faye Faulkner
Peter Scolari Mickey Lamm
Marian Seldes Margaret Paddleford
粗筋
Brett, a young woman from the suburbs, is an associate editor at a small New York publishing house, hoping to be promoted when, on the same day, she meets a literary lion, Archie Knox, who's 50 and who shows an interest in her, and gets a new boss, a dolly-dolly Brit. Brett is soon dating Archie, then moves in with him. He's charming, attentive, and gives advice. He also has a history - ex-wives, a distant daughter, a couple of diseases, and a photo album of former girlfriends. It's no fairy tale: family issues (and more) intervene, and Brett has decisions to make. Meanwhile, she's working with a writer who fears peanut butter sticking to the roof of his mouth. Is Archie dinner, an hors d'oeuvre, or a peanut-butter sandwich? Written by <jhailey@hotmail.com>
日本の映画データベースに記述がないので IMDb のサイトから上のように曳いた。
若い娘から婦人にターゲットを絞ったものばかり放映するオランダ民放テレビ局のゴールデンアワーに登場したものを観た。 この民放は大体ベタベタと甘く、還暦をすぎたオヤジには苦手な局で自分からはほとんど見ることがなくテレビガイドの評価でも低かったのだが、今回観た理由はただ一点、 アレック・ボールドウィン が出ていたからだ。 それが2007年のものだったこと、また、前夜のイギリスBBCテレビの深夜画映画でボールドウイン + キム・ベイシンガーの「ゲッタウェイ (1994)」をほぼ10年以上ぶりに再度銀行強盗の場面から観ていたことに拠っていて、前夜「ゲッタウェイ (1994)」を観ていなかったら本作は観ていなかっただろう。
ボールドウィンは最近はシットコムコメディーシリーズ「30 ROCK」ででっぷり肥ったテレビ局のプロデューサーを演じていてそれをコメディー専門テレビ局でみるもののそこには往年の面影はなく、そういうときに久々に見た「ゲッタウェイ (1994)」は衝撃的で全く別人、若さの頂点にいたような目も覚める姿だった。 たった13年でこうも変わるものか。 もっともボールドウィンにはっきりと惹かれたのは「レッド・オクトーバーを追え! (1990)」からで、これはイギリスBBC局も気に入りなのか何年かに一度は必ず放映されるもので何回か観ておりそのときのボールドウィンの印象から、「ゲッタウェイ (1994)」の印象と比べるとはるかに落ち着いた様子を見せているので「ゲッタウェイ (1994)」のほうが5年か10年先行の作のように思っていたのが今回映画データベースの情報で逆転していることに気付いて驚いた。 ボールドウィンの肉体やナイスガイ映画という点では「結婚の条件(1988)」に並んで「ゲッタウェイ (1994)」が頂点だろうと思う。
またこのデーターベースでアレック・ボールドウィンの項を眺めていて「ゲッタウェイ (1994)」で共演したキム・ベイシンガーとそのときの縁で結婚したというのはこの「ゲッタウェイ (1994)」がオリジナル・ペキンパー作「ゲッタウェイ(1972)」のリメイクでその際、共演したスティーヴ・マックィーンとアリ・マッグローが一緒になったのと対照されて興味深いものがある。 二つのゲッタウェイには20年の差がありそれからさらにそろそろ20年になる。 それから、唐突に先週テレビで観たコメディーのことを思い出した。 それは気に入りのベット・ミドラーが出たヘレン・ハント初監督・主演、共演がコリン・ファースの「いとしい人(2007)」だ。 そこで実母だと名乗り出たテレビ局のプロデューサーであるミドラーがハントにお前の父親はスティーヴ・マックィーンだ、という件があったからだろう。 そこで妊娠の可能性のある時期を調べたらマックィーンは「砲艦サンパブロ(1966)」の撮影のため中国に行っており父親ではありえないことが判明、もうすぐ40に手の届くことではじめての懐妊を望むハントがミドラーに食って掛かるということになっていたのだった。
本作の主演女優をどこかで見たことがあると思っていて思い出せなかった。 見た事のないシリーズ「アリー my Love」の主演女優かと思っても違うような気がしてデータベースの記載事項を見ると何年か前に中・高校生の娘が見ていたTVシリーズ「バフィー~恋する十字架~」の主役だった女優だ。 なるほど、2007年当時、30歳の女優と49歳の男優の親子ほど違う二人の浮ついた恋愛ものだから、それに還暦を過ぎたオヤジの自分は作中癌で死んでいく女優の父親よりもまだ年上であることにいらいらしつつも浮いた歯を噛み締めながら終わりまで見てどっと疲れがでた。
トレンディーを気取った設定とその中の台詞などが鼻につき、こういうものをアメリカの若い女は消費するのかと思い、本作も自分では観たことのない「セックス アンド シティー」の視聴者もターゲットに絞っているのかとも想像したものの、それらの視聴者には本作舞台、NYの出版界で交わされるアメリカ文学についてのスノッブ材料も「....Whatever!...」とあしらうほどの興味のないものかもしれないとも考え直す。 本作では「ピュ-リッツァー賞」に「チャールズ・ブコウスキー」が安っぽい知的香水として鼻をくすぐる。
本作をみてから1時間ほどして裏庭でこの夜にもうほぼ済んだ皆既月食をみようとしたのだが生憎雲が出てみえなかった。 仕方なく居間でBBCにかかる深夜映画を覗いたら「愛という名の疑惑(1992)」でリチャード・ギアとキム・ベイシンガーがサンフランシスコの金門橋が見える古びた灯台にあがっている場面だったのだが見続ける気も無くスイッチを切ってビールの小瓶を片手にこの小文を記しに屋根裏部屋に上がったのだった。