暇つぶし日記

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星の旅人たち (2010);観た映画、 Mar. '18

2018年06月08日 23時53分48秒 | 見る

 

邦題; 星の旅人たち   (2010)

原題; The Way

 

128分

 
俳優のみならず監督としても活躍するエミリオ・エステヴェスが、実父マーティン・シーンを主演に迎え、監督・脚本・製作・出演で撮り上げた感動のヒューマン・ロード・ムービー。志半ばで命を落とした息子の気持ちを理解しようと聖地巡礼の旅を引き継いだ父親が、個性豊かな巡礼者たちとの交流の中で心癒されながら再生していく姿を、美しい風景をバックにペーソス溢れるタッチで綴る。

ある日、アメリカ人眼科医トム・エイヴリーのもとに、一人息子ダニエルの訃報が届く。それは、ダニエルが聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅に出た矢先の悲劇だった。フランスとスペインの国境の町までやって来たトム。ダニエルの遺品と遺灰を手にした彼は、息子が巡礼の旅に求めたものが何だったのかを知ろうと、息子に代わり、旅を続けることを決意する。それは、800キロにもおよぶ長旅。その道中、彼は旅の目的も様々な巡礼者たちとの出会いを重ね、少しずつ彼らと打ち解けていくのだが…。
 
イースターの深夜番組としてイギリスBBCテレビにかかったものを観た。 理由は二つ。 道中の景色を見たかったのとシーン、エステヴェスの父子が出演、子が監督した作品だったからだ。 けれど主にヨーロッパで古くからある巡礼路、カミノ・デ・サンティアゴの景色を、2か月ほど前に齧った四国八十八か所や熊野古道の景色と比べたかったこともある。 八十八か所遍路は約1100km、カミノ・デ・サンティアゴは800kmと歩けば一か月以上かかる路ではあり類似点もあるけれど景色がかなり違うところに興味がある。 自分の周りにも何人かカミノを歩いて来たものがいるがウォーキングを好むものはそれよりももっと野趣に富むヨーロッパ各地の自然道を選ぶようだ。 信心のあるものは別としてなにもわざわざ人の多いところに行くことはないという気持ちもあるのだろう。 けれど一方には毎年夏にオランダでは4日間、世界最大の「ナイメ―ヘン国際フォーデイマーチ」があって、毎日数万人が30,40,50kmを歩くイベントが賑やかに行われ人が川の流れのように賑わう歩き方もあるのだ。 そうなるとマラソンイベントと同様のお祭りなのだ。 巡礼にお祭りとは関連がなくもないのだろうが人にはただ長距離を歩くというのにも様々な理由がある。 
 
本作でシーンが歩く理由は簡潔に示され70歳のシーンが歩くスタンス、テンポを面白いと思った。 出演者のだれもにも言えることだがあまり疲れが見えないように感じるのだ。 アメリカ映画だから疲れを見せずあくまで元気でという国民性も働いているのかという深読みをしそうになるのだが、そんなことは話の流れの中ではどうでもいいことかもしれないし、流れでいうと川に落としたリュックサックを追って流れの中に入るシーンがある。 いつまで経ってもリュックは沈まず簡易救命胴衣が入っているかのように浮くシーンの服でリュックにしがみつき暫く流されていく。 シーンの歳を考えてそのようにしたのだろうがあれはコロラドの濁流でなくとも危険なシーンなのだ。 その後その岸に上がって服を乾かし、といっても夕闇迫り露の湿ったなかで服を絞るだけなのだがそのままそこで野宿してしまう。 いくら高齢で鍛えているとしても、、、、。 肺炎の恐れもないのだから大したものだ。 地獄の黙示録でベトナムのジャングルで生き残ったシーンであるのだから何ともないといっても高齢の者には無理がある、とこのようにウオーキングを少し齧った年寄りはこんな細部にも茶々を入れつつも、ここには監督である息子の配慮も感じられる。 それにしても邦題の陳腐さは何とかならないものだろうか。