暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

オランダ癌研AVLにて(2) 雑感;痛み、嘔吐感、疲労感 (中)

2017年06月24日 10時34分56秒 | 日常

 

(上)から続く

2017年 6月 24日 (土)

 16日の金曜日にアムステルダムの国立癌研AVLを退院して自宅療養することになった。 手術後当初は7本も8本も繋がれていた管が退院時には流動食用の左下腹部に開けられた穴に繋がれた管一本だけになっていた。 18日間入院していて最後の方には普通食にも口をつけ始めてはいたがとても喰うというような状態ではなかった。 痛みと嘔吐感がひどく食物にはフォークの一掬いか二掬いで喰えなくなった。 飲み物にしても同じだ。 入院時各種の麻酔薬、嘔吐・痛み止めで抑制されていたところでは喰えないものの物が口に運べていたし飲めたものが退院時から順健康シフトに入り長いソフトランディングの体制にはいる。 基本的な食餌は流動食1Lの1000Kcalに徐々に普通食を加え流動食を3週間ほどで終え普通食にシフトするというものだ。 病院の食餌は喰えるものではなく自宅から持ち込んだ少量の食餌を使ったがそれも量からすると食事とはいえないものだ。 だから自然と流動食中心となる。

 自宅に戻りAVLから渡された薬物リストに沿って何時間ごとかに何種類もの薬を服用する。 

 

2917年 6月 29日 (木)

(上)を書いたのが18日でそれから今日まで12日間ブログを休んでいた。 こんなことは初めてだ。 当然長期休暇の時はその旨事前に伝えていたけれど今回は家にいてベッドから3mのところにキーボードがあるのに行けなかった。 まさにこの項で書くつもりだった痛み、嘔吐感、疲労感の為だ。 きょうは取敢えず何とか回復の兆しが見え始め椅子に坐れるようになり少しは集中できるようになったのでこの項の内容にはまだとどかないものの再開の第一歩としてここまで記す。 生まれてこのかた入院などしたことのない痛みに弱い人間の脆さが露呈して困惑する。

(下)に続く


オランダ癌研AVLにて(1) 雑感;痛み、嘔吐感、疲労感 (上)

2017年06月17日 18時08分19秒 | 日常

 

5月30日に胃の下部80%削除、その後同時に腹膜の癌細胞を抗癌剤で洗浄する手術をアムステルダムの国立癌研AVLで受けた。 手術前の念入りな説明を受け医師団に対する信頼も出来上がりプロセスに対する心配はなかったけれどただ一つだけ条件を付けた。 痛いのはいやだ、ということだ。 だれも同じでそれを最優先してほしいと言ったしそれはプロにとっては患者のことを考えると当然のことであり医師団の中でも麻酔医の説明が多くの部分を占め納得のいくものだったが所詮は痛みは自分でしかわからない。 だから毎日何回も痛みの部位、質、度合いを訊かれた。 そして約9時間後に集中治療室で目覚めた時には痛みは一切感じなかった。 感じないはずだ。 何種類もの麻酔を打たれ脊髄に届く管から絶えずモニターにでる数字を見ながら麻酔薬が投与されていてそれが4,5日ほど続いただろうか。目覚めたことは覚えている。 けれどその後家族がここを訪れ医師と経過を話し自分とも話したそうだが自分には一切記憶が無い。 息子の言によると、瞳孔が開きナンセンスなことを饒舌に喋ったそうだ。 完全にハイな状態だったのだ。 そして記憶は翌日の自室のベッドで8,9本の管で繋がれた動きの取れない自分だった。 それでも看護婦は管に繋がれた自分を暫く椅子に坐らせた。 トイレは必要なら歩いて個室にあるトイレに行かされるが、この段階では腸の機能がストップされているから大便は1週間以上でない。 小便は手術中にペニスに通されたカテーテルを通じてプラスチックの袋やタンクに溜められるから通う必要はない。

ここまで書いて来て急に胃の痛みが襲ってきて書くことに集中できない。 この項は闘病に当たって重要な部分を占めるので続けてまた書こうと思う。 この項続く。

 

尚、家人が土曜のマーケットに買い物に行くのに濠端を通ると外気28℃では写真のような風景が見られたと聞いた。

 


ブログ再開

2017年06月16日 23時09分44秒 | 日常

 

2017年 6月 16日 (金) 気温 24℃ 晴れ

手術、入院を終え19日ぶりに帰宅した。 死ぬとは思わなかったけれど後から医師団、看護師、周りの人々に聞くとかなり重い手術だったようだ。 2週間の予定が5日伸びたのだけれどその5日間に色々あった。 これから追々思い出しつつそのことを入院日記としてしつこく書くかもしれない。 なんせ動きの取れない今まで経験したことのない不自由な19日だったのだから書くことは多岐に亘って得難い経験の連続だった。 読者各位に於いては人の病気のことなど興味がないと思うけれど他人のこととして読み流していただければ幸いである。 尚、この間、様々なところから励ましの言葉をいただいてそれぞれ今までにないほどにその言葉が骨身に沁みて有り難く思う。 なんせ入院など今までしたこともなく手術室にベッドのまま送られる時に、これは映画のシーンのようだと子供のようにワクワクしながらナイーブな思いが手術後には痛みと吐き気の連続の日々になるとは夢にも思わず抗癌剤治療期間のことが夢のように思われる。

今は痛みは治まっているけれど吐き気を押さえるのに苦労している。

 

写真は手術後2日目、21cmの開腹手術だった。