暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

この栗は、、、

2013年10月20日 16時57分04秒 | 日常

通りの端、緑地の外れに今の時期、毎年のように落ち葉を集めるケージができている。 このところ雨とともに吹く風で木々の折れ枝が路上に落ちているのも見られるからこのようなケージも今の季節には必要で適切なものだ。 公園のそばを通っていると栗の木から沢山の実が落ちているところに行き合わせた。 公園であるから栗の木が植わっているものの栗はもともとオランダのものではない。

このあたりではフランスの中部あたりから南に栗が見られるのではないか。 ドルドーニュあたりになると太古から様々な木の実が食され油がとられている経緯があってそれが地元の名物になっているのだが、オランダは栗の北限以北なのだろう。 もともと栗は生えない。 だからもともとのオランダの食生活にはそれがなく、フランスの影響からか今では栗を食うようにもなって今の時期、スーパーでも売られているし、トルコやモロッコ系の移民が利用する食材店にもバラ売りの栗が山積みになっているのが見られる。

道に落ちたこの栗は風雨のために落ちたので、まだ熟れてはおらずイガにしてもまだ青い。 棘も硬くはなく、人がその上を歩き、自転車のタイヤがそれを轢いて行くけれど痛くもなくパンクもしない、というような硬さなのだ。

春の一時期には栗の花が匂う。 けれどそれは町のあちこちにあるトチノキの花でトチノキはオランダ語で Paardenkastanje といってこの Kastanje というのが栗であり、だから、馬の栗という意味になるのだが、トチノキの実には栗のような鋭い棘のようなものはなく形では栗との違いがはっきりしているしトチノキの実には毒性があるといわれていて町の中に植わっている大木は圧倒的にトチノキが多く、栗は町の中にはほとんどない。 だから或るとき春にものすごく栗の花が匂ったときにはさぞかし秋には栗の実がみられるのだろうと想像していたのだが実際に見るのはここにあるこのあまり大きくない木から落ちたこの実ぐらいなものなのだ。 それも熟れて茶色になって硬く自転車をパンクさせるような棘をもつようなものでもなく少々の雨風に打たれて落ちた未熟の青いものなのだ。

バカンス ’13 (2) ミュンヘンの街をサイクリング

2013年10月20日 06時19分14秒 | 日常





2013年 7月31日

7時半にキャンプ場のスーパーが開くのを待ってそこで朝飯のドイツ流のパンと牛乳を買いテントに戻ったら隣に真っ赤なフェラーリのスポーツカーが停めてあったのに気がついた。 雑多な国籍の様々な車がこのキャンプ場に数百台は駐車していて多分数千人が様々な様子でキャンプしているところでツーシーターのフェラーリである。 あまりの場違いに皆不思議に思っているに違いない。 そのドライバーは車の隣に停めてあるキャンパーで寝泊りしているのかもしれない。 第一、車にはテントを入れるスペースもないのだろうしこんなものでこんなところに来て小さなテントに寝泊りするというのも合わない。 たまたまここに来ている知り合いのところに寄ってそのままい続けているのかもしれない。 もちろん牽引車を引っ掛けるような金具も後ろについているはずがない。 

パンを買いにキャンプ場の入り口にあるスーパーに行くまでに停めてある車のナンバープレートを順番に眺めて行くとヨーロッパのほとんどの国のものがある。 ちなみに9台並んでいるところでは9つとも国名が違っているのも見た。 こんなことは初めてだった。 それにしても早朝のこういう大きなキャンプ場をそんな車やテントなどを見ながら歩くのは妙なものだ。 夜中の暗い中を歩くのと今のような朝の静寂の中を歩くのでは大して変らないのにムードは違う。 あと30分ぐらいすると皆眠け眼でバスローブとサンダルでシャワーとトイレのある棟に向かう様子が見られるのだ。 そんな棟がざっとみてもあちこちに7つ8つはあるだろうか。

それにしてもこの30年ほどの間に色々な国の色々なキャンプ場に行ったけれどここほど密度の高いところは初めてだ。 ドイツはヨーロッパの人と物の交差する場所であり殊にミュンヘンは最も豊かな地方の国際都市であるからヨーロッパ各地からバカンスに車で訪れるとなるとここ、ということになるからこれほどの収容能力のあるキャンプ場にしなければその数を処理できないのだろう。 ことに近年は旧東欧諸国、バルカン諸国から西ヨーロッパに出てくる人々が多いのもそのナンバープレートーの多彩さに現れている。 

キャンプ場の入り口の柵のところに張り紙がしてあるレンタル自転車屋に電話すると15分で4台持ってきた。 天気予報では雨が降らないというのでそれぞれデイパックに水とウインドブレーカーだけ入れて出発した。 昼飯は町のどこにでもあるサンドイッチ屋か町のカフェーでしてもいい。 身軽であることが一番だ。 目安としてはミュンヘンの町の南の端にあるキャンプ場から町の西にあるイングリッシュガーデンという大きな公園に向かって川沿いに10kmほど北上すること、それから西に折れて旧市街に入り西の端を南下してキャンプ場にもどる約25kmを大体の予定にしていた。 川に沿って続く公園仕立てのサイクリング専用道路をイングリッシュガーデンを目指して走った。 この10kmには街の中にもかかわらず信号がひとつもない。 だから軽快に走れるのだがその有難さを痛感したのは後半公園を外れて街の普通の道路を走ってからだ。 大都市の道路は少し行くと信号がありその度に停まって待たなければならず面倒だ。

イングリッシュ・ガーデンというのは大きな公園でその中の芝生が広がるところは広大なスペースとなっており多くの人がピクニックをしているのだが、その広さのためそれが過密にもならずただあちこちに人が点々としてみえるだけだ。 そこに寝転んで昼食にした。 この公園の中には日本庭園があり日本風茶室もあったがそこには入れないようになっていた。 イングリッシュ・ガーデンを抜け二つほど通りを行くとヨーロッパ式の大きな庭があってそこは宮廷の庭と名前がついており、小道が集まったその中央に時計台のようなたてものがあってそこでロシアのバラライカを演奏する年取った女性が涼しそうに坐っていて建物のドームに響く楽器の音が人の足を留まらせていた。

その宮廷の公園を出たら前日夕方に地下鉄で来たオデオンの Theakineker 教会のところに来たのでそこに自転車を停めて木陰のカフェーのテラスでビールを飲んだ。 前日前を通ったライカの店に一人で行った。 今まで見た事のないほど沢山のライカ・カメラが古いものから順番に並んでいてその数に圧倒された。 博物館並のコレクションで見とれるほどだった。 壊れてそれを騙し騙し使っているカメラが完全に使えなくなったときのために2年ほど前に今のカメラとあまり変らない Leica D-Lux 5 というのを買ってあり、それはもうこの6年ほど使っている Lumix DMC-FX100 のフラットなボディーよりレンズ部分が飛び出していて少し嵩が高いので腰に常時つけるためのいいキャリングケースを探していたのだ。 それでライカにそういうケースがないかこの機会に問い合わせに来たのだった。 中年男の店員は慇懃な態度で皮の特性ケースを勧めるのだがそれは首や肩から吊るす形のものでベルトに通して腰に吊るすものはないという。 カタログでそれは知っていたけれどそれも承知で訊ねたのだったがその店員はあくまで自社のものを勧め、固執し、とりつくしまもないから Lumix を見せ、これの姉妹品なのに腰に吊るせない不便さをいえばそれにムッとしたようで、従来のものが当社の伝統なのだとつっぱねた。 それでも尚、なぜそのような可能性を考えないのだろうかと踏み込むと、それなら Lowepro というカメラ用ポッシェット専門ブランドがあるからそこにあるかもしれない、と言った。 今うちの机のなかにある D-Lux 5 を包んでいるのがそれなのだ。 店員の対応を面白いと思いながらその店を出てふと同じドイツ製品で昔ポルシェについて聞いたことを思い出した。 ポルシェは911というモデルが有名だが944というモデルがあってこれが貧乏人の買うポルシェだというのだ。 その理由は知らないがそういうのを聞いてからは944モデルが走っているのを見るたびにそうなのか、とその言葉を思い出したものだが、今自分の持っているライカの D-Lux モデルというのがそれに相当するのではないか、とそんなことが頭の端を通り過ぎた。 自分が選んだのはただ単に今使っているものの継続モデルとしてそれがたまたまライカになっただけなのだがこのショールームの店員の対応でそんなことを考えたのだった。

市営キャンプ場の近くにスーパーがあったのでそこに寄って夕食の材料を買った。 この日は息子と娘が料理するというので我々はクーラーの効いた涼しい店の中をぶらぶらと眺めているだけでデザートにするスイカを半分に切ったものを買った。 今回初めてテントの中で料理をしてその夕食後、まだ11時ごろまでは明るいのでこんどはキャンプ場の南のほうに向かって川沿いの自転車専用道を走った。 子供たちはテントの中にいてインターネットをして過ごしていたのだが我々は結局往復で20kmほど走ったから今日一日で45km走ったことになる。 11時前でも自転車道は森の中を行くのでこのころにはもう暗かった。 ランプをつけて走るのはいいけれど時にはジョギングする人たちに出会うことがある。 着ているものに光を反射するようなものが付いていないので姿が見えず危ないことも再三だった。 日頃うちの周りで夜ジョギングする人たちをみるけれど皆そんな反射板がついたトレーニングウエアーを身につけていてそれに見慣れているからこれには少々驚いた。 キャンプ場にもどりテントの近くの棟でシャワーを浴びてビールを飲みすぐに眠りに落ちた。