この数日雨がよく降る。 オランダの秋は日本とは少々違い、雨がよく降って気持ちのいい秋日和というのはほんの一握りしかなく、ほとんど人は秋と聞くと、ああ、また雨が降って灰色の季節が来る、冬の前触れだ、と言う風にうけとるだろうし、実際天気もそのようになる。
この何日か雨が降って外に出るのがおっくうになり買い物にも出かける気にもならなくてうちにあるもので夕食を済ますことが多い。 夕方日本のニュースをインターネットで見ていたら台風のニュースでかなりの風雨が荒れているような画像が見えていたのだが、そのとき同時にこちらでも日頃にないような大粒で激しい雨が屋根と窓を打つ音が聞こえていた。 実際、ゼーランド州と我が家のある南ホランド州では雨量がこの2日ほどで普段の10月で1ヶ月に降る量の1.5倍を記録し、床上浸水のところが続出、農作物が水に浸かって大きな被害を受けたというようなニュースもある。 うちのあたりはかろうじて海面よりは上にあるからその心配はないもののオランダは海面下の土地が多いのでこういうこともなくはない。 けれど一度にどっと降る様なことはないので対応に困っている。 それに海面下ではなくとも一時的にどっと降雨があると下水道があふれて逆流するというケースも多いから油断はできないけれどこの20年以上の経験では我々の住んでいる地区ではそんなこともなく問題がなかったから少しは安心してコーヒーのカップを手にニュース画面に見入っている。
夜に車で外に出ることがあって偶々雨が止んだ空を見上げると雲間から丸い月が覗いていた。 この前見たのは鋭い三日月だったからもう一週間ほど前になるのだろう。 気温も下がり11℃ほどになっていて夜間は家の中をセントラルヒーティングを本格的に稼動させ19℃にしているのだけれどそれでも冬の寒さというのではないけれど徐々に足元に寒さが忍び寄ってきているのを感じる。