Jazz Orchestra of the Concertgebouw
with Guests
Sun. 7 Oct. 2007 at BIM Huis in Amsterdam
時間の都合で開演一時間以上前に会場に入ったにもかかわらずホールはもうかなりの人がいて勝手が違う。 年配の男女が多い。 80代までありそうだ。 これらの人たちはゲストの数人がそのような年配であり長年聴いてきたこれらジャズメンの現役で生きる姿を伴走するかのような聴衆である。
20代が混じるものの30代40代が中心のオランダ最良質のジャズビッグバンドが長老フリー・インプロヴィゼーション・ピアニストで世界中で一目おかれる魁偉、ミシャ・メンゲルベルグから中堅トランペットのエリック・フルーイマンスまで11人のゲストを招いて、毎月第一日日曜日の宵を定期公演会としてあるそのコマに按配したのはこのホール、ビムハウスを支える基金、援助団体の活動がそれぞれ11周年、25周年を迎えてそれを祝っての催しであったからでもある。
今晩のゲストがそれぞれの作曲作品を自身がソロをとり、このバンドの指揮者がビッグバンド用に編曲してメンバーには多少の変更があるものの団員の顔ぶれは今までこのバンドに登場したいずれ劣らぬそれぞれが自己のバンドを率いるつわの者達である。
ゲスト;
Theo Loevendie (cl, ss)
Eric Vloeimans (tp)
Joost Buis (tb)
Peter van Bergen (cl, ts)
Guus Jansen (p)
Misha Mengelsberg (p)
Maarten Ornstein(ts)
Harmen Fraanje (p)
Frank Douglas (el g)
Oene van Geel(violin)
Eric Calmes (el bass)
このビッグバンドの最新CD「Riff's 'n Rhythms] がこの日、バンドの自己レーベル、JOC Recordsより発売されたので手に取るとこれは5月7日ここでの定例演奏会のライブ録音ではないか。 私はこの日はシシリアから来た義姉の娘とその連れ合い、子供達がオランダに滞在していた期間にあたり家族のパーティーのため、予約していた席をキャンセルしたのだがその行けなかった演奏会の録音が新CDとしてこれになって出たのが幸いだ。 このCDのナンバーはほぼ全て指揮者、編曲者のHenk Meutgeert(ヘンク・メウトへエルト)の作になるものであり、第4曲目「China Dance」はいまだ果たせていない中国公演での先方への土産として用意してあるはずのHMの作曲だとみた。 ここでは中国ムードを愛らしくソプラノサックスで奏でる常任サックス、Georg Kaaijが聴ける。 この日も1930年生まれのTheo Loevendie (cl, ss)のサポートとしてアフリカの郷愁を誘うTL自作の佳曲「Tomboektoe」をアルトで彩った。 それに80前のこのリード奏者は自作をソプラノで見事に演奏し、年齢とともに深みを加えていく音楽を我々の目の前に示す見事さを淡々と提示したのだった。
年の功というならピアノのMisha Mengelsbergが相変わらずの魁偉をステージの上で楽団員の尊敬と揶揄をうけながらモンク、エリントンに捧げる曲を味わい深か気に楽団員の即興を鼓舞しながら我が道をいくピアノぶりだ。
バップにスイング、ポストコルトレーンからファンクにフリーインプロヴィゼーションと次々にゲスト各自の見せ所をサポートして見事に裏方を演じるこの日のバンドはオランダジャズのこの40年ほどの歴史と現在を一堂に参集させ束ねた力量を静かに見せ何時かこの日の演奏がCDかDVDになって現れるのを期待させるものである。
この日お披露目のCDはこのオーケストラの一面を示すものとして今までのアルバムに新たな一章を加えることとなったようだ。
JOC
http://www.jazzorchestra.nl/