私の通勤ルートは京都駅から2ルートあります。
西大路駅までJRで1駅乗って、西大路駅からバス。 もうひとつは京都駅からバス。 京都駅からバスにすると、バスに20分くらい乗らないといけないので、急ぐときは西大路経由にしています。 その日の天気と体調によってルートを決めるのですが、きょうは強い日差しで、日傘を家に忘れてきてしまっていたので京都駅からバスのルートをとりました。
京都駅からは市バス205系統に乗ります。 乗り慣れていないとちょっと迷います。 というのは、立命館大学へ行く快速205と、金閣寺行きの205は同じ乗り場なのです。 一応、並ぶ場所は快速用、各駅用に分かれていますが、はじめて乗るひとは、どの列がどこ行きのバスなのかはっきりわかりません。
いつもは案内のおじさんがふたりくらい立って、誘導してくれているのですが、いまは大学生が夏休みで、比較的すいているせいか、きょうはだれも案内がいませんでした。
快速205と205は、ほぼ交互にやってきます。 次のバスの案内アナウンスが流れて、「次のバスは快速205系統立命館大学行です。金閣寺には参りません」というのですが・・・・
私が列に並んだとき、うしろに女性ふたりが並んでいました。 ちょうど205がやってきたので、乗り込みました。 すると、乗り込んだときに、つぎのバスのアナウンスが流れたのです。 「金閣寺には参りません」 のところだけを、女性のうちの一人がきいておられたようでした。
うしろのほうの席があいていたので、座っていると、さきほどの二人の話声がうしろの座席から聞こえました。
「さっき、金閣寺には参りませんっていったよ」
「ほんと? じゃあ、おりる?」
その声が、塔の佐藤南壬子さんの声にそっくりでした。 東京方面の人のようです。 なんだか親しみを覚えて、思わず振り返って、
「金閣寺、行きますよ」と言いました。 女性たちは「ありがとうございます」と言ったあと、「よかったね」とか「このへんの小学生の帽子はあんなんだね」とか言って風景を楽しんでいました。
私は佐藤さんのことを思い出していました。 年末には食材の買い出しに京都の錦市場まで東京からわざわざくるっておっしゃっていたなぁ。
東京の女性たち。 金閣寺を楽しめていたらいいな、と思います。