ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

桜・さくら・サクラ

2016-04-02 22:32:41 | 日記

 私の両親はお花見が好きで、「ちょっと、お花見行こうか」という感じで、母が簡単なお弁当をささっと作って、近所のお花を見に行くことがよくありました。

 

 私と妹が出たあと、父が退職してからはたぶんその回数はもっと増えていたと思います。 桜が咲いているのを見ると、いまごろふたりでお花見をしてるかなと思います。 きょうは電話をしてみようと思っていても、つい気が付くと遅くなってしまって、また明日、ということになります。

 

 ある年、母が

 

 「あと何年生きるかわからないけど、なるべくたくさんの桜を見ておこうと思って」

 

 と言いました。 それからお花見ツアーに出かけたりして、さらに積極的にお花見にいくようになったようです。

 

 「あと10年だったら、お花のシーズンは10回しかないんだから」 というのが母の言い分です。

 

 そのときは、へえ、おおげさだなぁと思っていたのですが、ふと、同じ桜でも誰かがいなくなれば、もうその人のいない時間のなかでしか桜を見ることはできないんだと気が付きました。

 

 珍しく、きょうは夫が「あしたは雨みたいやから、きょう花でも見に行く?」と言うので、桜の名所、醍醐寺へ行きました。

 

 秀吉が大掛かりなお花見大宴会を催した、お寺です。

 

 自宅から1時間弱で行けるのに、まだ一度も行ったことがなかったので、行ってみることにしたのです。 醍醐の駅に着くと、もう人がいっぱい。 やはり観光地の桜というのはすごいなぁと思いつつ、人の流れに乗りながら駅から徒歩10分くらいで醍醐寺に着きました。

 

 思っていたより古いお寺で、平安時代に建てられたそうで、五重塔や金堂もどっしりしているのに色がくすんでいて、風景の中に時を感じることのできるお寺でした。

 

 肺のなかまで桜でいっぱいになりそうなほど桜を見て、桜餅とみたらしだんごを食べて帰りました。

 

 帰りの車窓から、誰もいないちいさな神社に満開の桜が見えました。

 

 「ああいうのがええなあ」 と夫がつぶやいて、ほんとうだな、と思いました。 

 

 自宅から歩いてすぐの小さな川(堀?)の大きな桜を「ウチの桜」と呼んでいるのですが、ウチの桜も満開でした。

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