ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

二度と聴かない

2015-12-06 23:27:58 | 日記

 きのうの夜、長年使ってきたテーブルに穴があきました。

 

 使えないこともないのですが、お客さんがきたときに(あまり来ないけど)ちょっと恥ずかしいので、きょうはテーブルを買いに行きました。

 

 スペースとデザインと椅子の座り心地を試しながら、最後は2つの候補から1つに絞りようやく決まりました。 26年くらい使ってきたテーブルなのに、テーブルの歌はそんなに歌ってこなかったなぁと思います。

 

 そう考えていくと、あたりまえのようにあるものはモチーフにされないのかなと思いました。 あたりまえのもので、いつまでもあると思っているもの。

 

 来週、新しいテーブルセットが来るときいてから、いつまでもあるものなんてないんだなぁとしんみりしました。

 

 ・思い出はドーナツ盤のB面に閉じ込めておき二度と聴かない  (山上秋恵『オレンジの墓標』)

 

 聴き返して思い出を辿ったりしない。 辿るうちに「思い出」は別のかたちになっていくかもしれないから。 思い出を思い出としてB面に閉じ込めておけば風化することも美化することもない。

そのままの形で保存するには、二度と取りださないほうがいいのかもしれない。

 

 私はいままで、もう会えなくなった人たちのことを思い出し、思い出が曇らないようにぴかぴかに磨き、まるでいつでも会える人のように思いこもうとしてきたけれど、いくら思い出してももう会えないんだなぁ、もとの形はすっかり消えてしまっているんだなぁということに気づきました。

 

 変わっていくから生きているんだといった人がいましたが、私は変わらないものこそがほんとうだと信じて疑いませんでした。

 

 あれからずいぶん時間がたって、変わらないものなんてないのかもしれない、と思い始めているところです。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする