自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

憲法9条「戦争放棄」と「中村哲医師の志」は人類の希望である。

2019-12-31 19:32:36 | 自然と人為

 NHK番組『武器ではなく 命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン~
    ーーーーー番組の冒頭部分のナレーションからーーーーー
 この時、アフガニスタンは100年に一度と言われる大干ばつに襲われていた。飢えと渇きが、既に多くの人々の命を奪っていたのである。中村哲は医師として何ができるか、現地で考え続けていた。
 「診療所を100個つくるよりも用水路を1本つくった方が、どれだけ、みんなの健康に役立つのかわからないと、医者としては思いつきますよね。」
 中村は白衣を脱ぎ、乾いた大地を潤す用水路の建設に乗り出した。
「アフガニスタン!茶褐色の動かぬ大地、労苦を共にして水を得て喜び合った村人、尽きぬ回顧の中で確かなのは、漠々たる水なし地獄の修羅場にもかかわらず、アフガニスタンが私に動かぬ「人間」を見せてくれたことである。」(中村哲「医者、用水路を拓く」より)

 あれから15年。干からびた不毛の大地は、今、緑の沃野へと姿を変え始めた。戦乱のやまぬアフガニスタンで、干ばつと闘い続けてきた医師・中村哲の記録です。
      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 中村哲医師が人生をアフガニスタンに捧げた理由は、『「不平等に対する復讐」』であり、住民の幸福を守るために、『戦争と、飢餓と、終わらない暴力の連鎖(等により、)世界で最も危険な国の一つであるアフガニスタンで、だからこそ、そこに住む人たちを決して見捨てず、人生の大半をささげてきた。最後は本人が否定し続けてきた暴力によって、命を落とした。73歳だった。』

 中村哲医師の銃撃死亡事件については、【NHKニュース9(11分/59分=19%)】【報道ステーション(22分/76分=29%)】もトップで報道したが、【NHK】では「首相談話」を報道しなかった。【報道ステーション】では安倍首相がインタビューに答えていたが、形式的なお悔やみで、さっさとインタビューから逃げたように見えた。
 【NHK】中村哲医師 死去 政界の反応 2019年12月5日でも、官房長官談話はあるが安倍首相は何も反応していない。「武器ではなく命の水を」「中村哲医師の貫いた志」は、アメリカに空爆される危険なアフガニスタンで、医師にも拘らず、否、医師だからこそ命を守るために、井戸掘りや農業用灌漑の整備に取り組んだ。
 一方、「日本の憲法は占領軍(GHQ)によって押し付けられたものであり、自国を守るためには武器が必要」として、憲法9条を改正してアメリカに協力して戦争ができる国にすることを政治使命としている安倍晋三との志の違いを見せつけられた。
 一方は民間人の志として、一方は世界と日本の国民に責任を持つ首相の志として。しかも、憲法改正を進めることは国民の声(12:12-17:50)としながら、「桜を見る会」で税金を私物化したのではないかという質問(国民の声)には、公文書管理の責任を無視して、「参加者名簿等は廃棄し、復元できない」とシャ―シャーと嘘を言い、「今後 私自身の責任において招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討する」と言う。「桜を見る会」は総理の仕事ではないだろうに、そんなに暇を持て余しているのか!
 公文書管理には無責任で、権力私物化の安倍首相が、「憲法改正」を志とすることほど危険なことはない。
 参考:武器ではなく命の水を 医師中村哲とアフガニスタン
     クローズアップ現代「中村哲医師 貫いた志」
     【報ステ】アフガニスタンで銃撃 中村哲医師が死亡
     【NHKニュース9】アフガニスタンで銃撃された中村哲医師死亡
     【NHK】中村哲医師 死去 政界の反応 2019年12月5日
     米CIAのスパイだった岸信介!安倍晋三と麻生太郎が支配する米国の傀儡政権!
     安倍内閣総理大臣記者会見 2019.12.9(テロップ版)
     総理会見の舞台裏 語ります【官邸キャップ篠原の「永田町ウラ話」9】テレ東NEWS
     未来ビジョン073『安倍晋三元総理が訴える憲法9条改正論』2011.9.3
     首相記者会見 憲法改正「私の手で成し遂げていきたい」
     麻生氏「安倍4選」に言及ノーカット
     桜を見る会問題
     「桜を見る会」問題で「検察が動かない」理由~
     「詰んでいる」のは安倍首相の「説明」


 未来ビジョン073『安倍晋三元総理が訴える憲法9条改正論』 2011.9.3 は、冒頭で60年も前に作られた憲法は時代に遇っていないのではないか、ことに防衛問題に関して憲法9条が論議とされているとし、番組制作の意図が語られている。安倍は歴史は学者が語るべきと言いながら、「憲法はGHQの指示で作られたから自分たちの憲法を作る必要がある」と主張している。戦後のドイツ憲法はヒットラーの過ちを繰り返さないために、憲法改正には慎重である。「戦争放棄」という戦争のない平和の国を目指す志がなく、戦争ができる国にするために憲法改正を常識とする自民党や安倍晋三の理念こそがおかしい。安倍総理が危険人物であることを、メディアは何故報じない。麻生氏「安倍4選」に言及(8:50-11:00)においても、麻生副総理は「岸(元総理)は一番激しい憲法改正論者だった。安倍さんがやらなかったら岸の二の舞になるじゃないの。」と安倍4選を支持している。しかも、「ドイツのワイマール憲法が誰も知らないうちに(ナチス憲法)に変わった。あれを見習わなくてはいけない」とも発言している。自民党支配者の本音(常識)は、まるで一周遅れで日本にやってきたヒットラーのようだ。しかも、親分アメリカのご機嫌を伺いながら。

 日本の政治は日本国憲法に従って実施されている。その憲法の改正を党是として、1955年(昭和30年)に保守合同によって誕生した自民党は、日本の政治を支配し続けてきた。国民は憲法改正に積極的ではないのに、憲法改正を党是とし、憲法改正が進まぬことを批判する自民党が日本の政治を支配している。これでは政権についてから緊急事態条項の追加と全権委任法により、独裁から戦争に向かったドイツのヒットラーと同じだ。ドイツの「ナチ党台頭に学ぶ憲法改正」では、現ドイツ憲法にはナチ独裁の反省の上に立つ根本原則である憲法改正を通しても変えられない基本条項(人間の尊厳の不可侵性や基本的人権、民主的かつ社会的連邦国家、立憲主義等)があり、その上で、自由で民主主義的な憲法秩序を脅かす者への抵抗権」を定めているとしている。しかし、自民党の憲法改正草案にはナチ党の独裁を許した「緊急事態条項」が盛り込まれている。しかも日本は首相により「外部からの武力攻撃であれ、自然災害であれ、緊急事態を確認でき、内閣の発する政令は法律同等とされ、独裁的な国政運営が可能」になると警告している。この点の詳細は、「いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!(動画)をぜひご覧いただきたい。
 参考:麻生氏「安倍4選」に言及
     麻生太郎副総理の記者会見に「まるで反社のよう」と批判殺到
     麻生副総理の「ナチス憲法」発言の音声
     麻生副首相のいわゆる「ナチス発言」「一部撤回発言」に関する質問主意書
     辻元清美
     衆議院議員辻元清美君提出
     麻生副首相のいわゆる「ナチス発言」「一部撤回発言」に関する質問
     に対する答弁書 内閣総理大臣 安倍晋三
     ワイマール憲法下のドイツがヒトラーを生んだ。
     この教訓は全ての国の人が学ぶべき!
     ナチスの手口に学んだ憲法改正はいけない!
     前文部科学事務次官 前川喜平氏講演会 「憲法とわたし」 2018.4.17
     田原総一朗「ドイツ(現)憲法の『緊急事態条項』と自民党案の決定的な違い」
     憲法改正「緊急事態条項」は本当に必要なのか?
     被災者を支援してきた弁護士が分析


 戦争への備え(国を守るための軍備)が、戦争を生む原点となる。使えないはずの核兵器を小型化することは、小型の破壊、殺戮兵器なら使うことを想定しており、将来の戦争は敵味方ともに多くの国民を破滅させることは必然である。したがって「戦争放棄」は、人類の将来に必要であり、武器よりも信頼と他者を尊重する外交こそが人類の責任である。政治は日本や世界の国民を幸福にする責任がある。国民の幸福を示さないで、日本を大改造するために憲法改正を考えるとは、日本の未来を、そして国民をどこに導こうと言うのであろう。

 中村哲医師は、100年に一度と言われる大干ばつに襲われたアフガニスタンで、白衣を脱ぎ、乾いた大地を潤す用水路の建設に乗り出した。民間人が民間の寄付金3億円の事業で、アフガンの人々の命を救い、生きる希望を与えた。しかし、大地は広くまだまだ残された土地は膨大だ。
 これに対して日本の安倍内閣は憲法の「戦争放棄」が、国民のためではなく親分のアメリカの指示に従って軍事支援するためには邪魔だと考え、「専守防衛」であるはずの自衛隊に、1機116億円もする敵地攻撃用の米国の最新鋭ステルス戦闘機・F35戦闘機を購入し、その発着艦とするために海自護衛艦「いずも」を31億円で「空母化」した。さらに、安倍政権は新たな中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度の5ヵ年計画)で約 27.5 兆円の大軍拡計画を決定し、来年度予算案では軍事費 5兆 2574 億円を計上している。これだけの経費をアフガニスタン支援等に使い、自衛隊の任務を殺戮破壊ではなく、自然環境を守り、災害救助等を任務とする国際支援隊に武装解除する方が、世界の人類の未来に大きな希望を持たせることになる。言葉はその人の信じている物語を紡ぐが、それが真実かどうかは科学的思考力を必要とする。

 消費税を10%に引き上げて国民生活に負担をかける一方で、軍事費を膨大化させ、戦争のできる国にする政治家など国民にとって迷惑な存在で、いらない!総理も副総理も国家権力を私物化し、憲法改正を目指す等、志も理念もない、アメリカを親分とする史上最低最悪の反社会的政治家達だ。しかし、国民にも戦争に対する責任があるにもかかわらず、その国民が戦争の可能性を増した長期政権を認めている。過去の戦争も大変だったが、次の戦争は小型核兵器の使用も含めて、人類滅亡の可能性もある。それでも良いのだろうか?


初稿 2019.12.14 更新 2019.12.31(動画等追加)

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