自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

何を大切に生きているのか?~政治家の見識を問う

2016-09-24 15:53:09 | 自然と人為

 「サンデーモーニング "風をよむ"」は学ぶことの多い良い番組だと思い、毎週録画、撮影してこのブログで紹介していたが「2016年 原爆の日」東京放送ホールディングスから著作権侵害とかでいきなり削除されてしまった。この番組を広く知っていただくためのブログをTBS側から著作権侵害で録画公開を拒否されるとはどういうことかと疑問と怒りがあったが、どうやら著名な方の原爆資料館訪問の映像に著作権があったようだ。この日の番組ではオバマ大統領以外にヘレンケラー、チェ・ゲバラ、カストロ、ダライ・ラマ、ヨハネ・パウロⅡ世、カーター、エリツィン、ゴルバチョフ、ワイツゼッカー等の広島原爆資料館訪問を知らせてくれている。この貴重な映像が著作権なのかもしれないとこの部分を削除したら問題ないようなので、この部分を削除して紹介しておきたい。「2016 原爆の日」(サンデーモーニング "風をよむ"2016/8/7)
 ただ、これを機会に「サンデーモーニング "風をよむ"」の紹介は中止したが、先週の「指導者の経済感覚」に続いて今週の「やられる前に・・・?」も紹介したい課題の参考になるので、これからは紹介したい課題に関連した番組として個別に紹介させていただくことにする。

 「8月15日 終戦の日」(サンデーモーニング "風をよむ"2016/8/14)では、「自らの戦争体験を語り、旅立った方たち。私たちはその思いをどう受け継いで行けば良いのでしょうか?」と問いかけている。
 大橋巨泉さん(82歳 2016年7月12日没)「戦争って狂気ですから、戦争になったらしてはいけないこと、しても良いこと、やったら褒められること、やったら叱られること、あるじゃあないですか、優先順位が。(それが)なくなっちゃうんですよ。(それより)戦争に勝つこと、敵を殺すことが第一になって、後はどうでもよくなっちゃう。だから戦争をしてはいけない。」
 永六輔さん(83歳 2016年7月7日没)「戦争中に『日本は勝つ勝つ』とずっと言っていましたよね、大本営が。国民はほぼみんな信用していた。『負けるわけがない、勝つんだ』というのを。情報というものをどう受け止めるかということを我々はもう一回学べなければいけないが、ぼくがいい例で忘れているんですよ。大事なことを。」
 秋山ちえ子さん(99歳 2016年4月6日没)「かわいそうなぞう」の朗読
 「ワンリーもトンキーも おたがいに ぐったりとした からだを
  もたれあって げいとうを はじめたのです。 げいとうを すれば
  むかしのように えさがもらえると おもって よろけながら
  いっしょうけんめいです。」

 「サンデーモーニング」は、反日・偏向番組だとネトウヨ?から何故か批判されている。大橋巨泉、永六輔、秋山ちえ子さんの言動を遺言として紹介しているこの番組のどこが偏向なのか根拠を示せと言いたいが、核兵器を所有することが日本の安全のための抑止力となると思っている政治家も少なからずいるようなので、見解の相違だと一蹴されそうだ。また、メディアは政権に反対した報道をすると政権から情報を得られなくなるので政権批判を自粛しがちだが、安倍政権はメディアの人事や報道内容に積極的に介入し、まるで独裁政権のようだ。

 論理の問題は「知は力なり」で、自然から人間の支配、世間から組織や社会を支配する力関係の問題になり易いので、論理を問うより、あなたは「何を大切に生きているのか」と問うことにしたい。ただ、「平和を守るための抑止力」という論理は「日本を守るための戦争」に容易に変わり、「平和を守るための戦争」という矛盾になりかねないことだけは指摘しておこう。それに、政治家は国民の公僕であり、利己的な自己主張を正義だと勘違いしないで、どのような状況においても「国民総体の平和な生活」を守る義務がある。国民の一部が「核兵器の所有」を願うとしても、政治家の責任と見識として他国との関係については信頼を目指すべきであり、強弱の関係や否定的な関係、あるいは信、不信で考える敵視政策を公言するのはいかがなものか。
 また、「サンデーモーニング」が反日・偏向番組だと「ネトウヨ」が世間を騒がしているとしても、「声を上げ始めた人々」(2015/9/6) (2)をこれまでにご覧いただいた人は今までに553人で評価する1名、評価しない1名に過ぎなかった。評価しない1名に何故?とは思うが、世間にはいろいろな論理を持つ人がいるもので、「何を大切に生きているのか」を「ネトウヨ」だけでなく安倍政権にも政治家としての見識と責任の観点から問うべきであり、「ネトウヨ」や安倍政権にそのことを指摘しないメディアは彼らを過大評価しているのではないか?この過大評価がアメリカに見られる他者に責任を持たない「欲求不満の垂れ流し」のトランプ現象を日本に呼び込まないことを祈りたい。
 参考: "風をよむ"~反日の中で~ 浅井・田中優子・西崎・金子のコメント
      稲田朋美防衛相が夫の「軍事産業株」保有で“配偶者の資産公開
       はプライバシー”と逆ギレ、夫を顧問にしながらどの口が
      傀儡の政権に騙され続ける国民
      オスプレイ17機を相場の3倍以上の値段(総額3600億円)で買った


 先日のブログで「戦争は政治家の責任~平和を守る政治家を求めるのは国民の責任」と申し上げた。その中で、オバマ大統領が「核の先制不使用宣言」を断念したようで、これには日本政府の要望も影響していることにも触れた。この先制攻撃の問題を「サンデーモーニング "風をよむ"(2016/9/18)」では、「やられる前に・・・?」と題して論じている。

 2001年9.11同時多発テロ以来、アメリカは大量破壊兵器を保有する国家に対し「先制攻撃」を辞さないとして、国連決議を経ずにイラクへの先制攻撃をし、おびただしい破壊・廃墟と16万人以上の犠牲者、さらにはイスラム国の台頭を赦し、未だに収拾のつかない状態だ。

「サンデーモーニング "風をよむ"(2016/9/18)」では、「やられる前に・・・?」
 イラクが大量破壊兵器を持つという誤った情報により先制攻撃したことをアメリカ大統領が認めて謝っているのに、「反原発に転じた小泉元首相がイラク戦争の過ちだけは認められない理由」は、アメリカが何をしようがアメリカの行動を日本は否定しないということだろうか。
 しかし、オバマ大統領の「核の先制不使用宣言」に日本が反対していることは、アメリカに従うというよりは、戦争を絶対悪として否定しない日本の政治家の稚拙にして悪辣な外交姿勢の問題だ。

「サンデーモーニング "風をよむ"(2016/9/18)」では、「やられる前に・・・?」
 「第1次、第2次大戦を経てきた国連憲章を持った国際社会の一員という立場では、『先制攻撃はやってはいけない』という道徳は確立している。」という常識を持っている柳沢協二氏が官房副長官補と補の肩書がついているのは、防衛庁出身者より内閣ははるかに格上だと示したいからかも知れないが、安倍内閣の政治姿勢はあまりに稚拙だ。

 柳沢協二(元内閣官房副長官補)「北朝鮮の核保有の動機は『アメリカが怖い』からなんですね。『(核の)先制不使用』をアメリカがいうことは、北朝鮮が核を持つ動機を無くす意味もある。『北朝鮮がああいうことをやっているから、こちらも軍事的に封じ込めて対抗していかねばならない』そういう発想でお互いがいる限り、この問題は根本的には解決しない。その意味では『核の先制不使用』は第一歩になるのではと思って、実は期待していたのですがね。」

 軍事費の算出方法と公表は各国で違い為替レートの変動もあるので比較は困難だが、産経新聞によると世界の軍事費 (コピー)は1兆6760億ドル(約185兆円)で、日本は「サンデーモーニング(2016年9月11)日」によればGDPの1%が目安なので世界5位と高く、しかも最近は増加傾向にあり、2016年度の防衛費は5兆400億円 (コピー) となっている。
 しかも、財政赤字はGDP比で200%を超え、 政府総債務残高(対GDP比)は日本はギリシャを抜いてダントツの世界1位なのに、安倍首相は政府専用機を乗り回し、ODA(政府開発援助)をばら撒いて得意顔をしている。公用車を使わず、給料も月10万円しか生活費に使わず、残りを社会の為に寄付しているウルグアイ・ムヒカ前大統領の他者への愛との違いはどこから来るのだろう。

 さらに安倍内閣の沖縄基地問題への対応も、「沖縄・民族の尊厳と国民主権~基地問題を考える」でその姿勢を憂えていたが、戦争を反省せず「抑止力」という破綻した論理で国民よりも戦争準備を大切にする姿勢は、地元の願いを無視して沖縄基地建設に自衛隊に重機を運搬させ、司法もそれを追認するという三権分立を破綻(「サンデーモーニング2016.9.18 録画)させ独裁の道を歩もうとする姿勢に通じ、政治家として国民に対して「何を大切に生きているのか」と強い危機感と憤りを覚える。

初稿 2016.9.24 更新 2016925

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