自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

沖縄・民族の尊厳と国民主権~基地問題を考える

2015-09-24 22:21:17 | 憲法を考える
 翁長沖縄知事が国連人権理事会演説 (huffington post 日本版(ハフィントンポスト):略称ハフポスト))で、沖縄の辺野古の埋め立てに反対したことは単なる沖縄県民の人権が守られていないことを訴えただけではない。
 サンゴジュゴンの素晴らしい海を守るだけではなく、これ以上アメリカの基地移設の建設を認めることは、日本とアメリカの属国として永遠に先住民である琉球民族の土地や海、資源、貿易で生きる生活や文化等を奪われ続ける人権蹂躙に対して、沖縄の人々がこれらの管理を決定できる「自己決定権」を主張しているのである。

 このことを9月22日の「報道ステーション」で古舘キャスターが「 知事が主張する自治権には独立権も内包する」とキチット説明したそうだ(私は聞き洩らしたが)。先日、(3月28日?)の古賀氏「報ステ」降板事件以来、この番組の信用を無くしていたが、今回は知事の国連演説をその背景を含めて一番丁寧に報道していたので、これからも見ることにしたい。安倍政権の圧力の下で頑張っている古舘キャスターやスタッフも応援したい。

 沖縄知事の国連演説の背景については「国連人権理事会」が話題のニュース・ブログ・人気記事まとめ が詳しく教えてくれている。記者解説「国連で知事はどう訴えるか」(琉球朝日放送)が「報道ステーション」に繋がっているのだろう。しかし、「幸福実現党」は、何故、「辺野古移設反対にせよオスプレイ配備反対にせよ、沖縄のメディアや現職議員が『県民の総意』と表現することは過りであると」敢えて表明して、何を主張したいのだろう。

 辺野古振興費を移設容認の地元に直接支出 政府(産経新聞:(コピー) という記事があるが、政府が国の方針に従う地域には交付金を出し、従わない自治体の交付金を削減することは、原発でも見られるように予算配分という「贈収賄」で地元を分断し、対立させてきた日本の権力の常套手段だ。こうして潤う地域の賛成派があることを指して『県民の総意』ではないと宗教団体が政治に口を出すことは危険なことだ。

 政治は権力を目指す。権力は予算配分だけでなく、司法、行政を癒着させ、国民主権ではなく国民支配の側に立つ。創価学会も公明党という政治の世界で権力の行使を求める。創価大学関係者が安保法案反対の署名活動をしても、学会員よりも権力の側に立つ公明党の山口那津男代表が参議院本会議で、「ニセモノの学会員に騙されるな!」とヤジったという信じられない話まで出てくる。
 そして安倍政権は安保法案の強行採決による内閣支持率低下を経済政策でごまかし、安保法隠しで問題の忘却を目指す。地方創生を謳う政治家の殆どは江戸時代の大名のように東京住まいだが、安倍首相の祖父や父の墓(コピー) は山口ではなく静岡にあるようだ。これも「美しい国、日本」の伝統なのだろうか。

 日本には国民支配の長い歴史がある。「美しい国、日本」とは、実体のない嘘を「美しい言葉」でごまかし、おとなしい国民が上の者に従い、上の者は下を見ず、だれも責任を取らない日本のことではなかろうか。明治政府の琉球併合の歴史を忘れてはいけない。戦争で沖縄を犠牲にした日本の支配層のことも忘れてはいけない。それはしいたげられてきた琉球民族のことだけではない。日本国民の主権を尊重しないこの国の歴史が今も受け継がれ、今、その支配欲が仮称「日本幸福党(自由民主・公明党)」という仮面を被って踊りだした。

 無人島の尖閣諸島の領有権を主張し、安保法の抑止力で「日本人の命と幸福と暮らし」を守ると言うけど、武器を持たない琉球王国は、もっぱら外交交渉で日本と中国に立ち向かい琉球の独立を維持しようとした。これに対して明治政府は宮古島、八重山諸島を中国の領土とし、日清両国の国境を定める琉球分割を締結しようとしたが、琉球の青年の死の抗議が中国を目覚めさせて締結に至らなかった。さらに戦時中、日本防衛の楯として犠牲となった沖縄。この2つの物語が「民族の尊厳と国民主権の尊さ」をよく教えてくれる。下手な解説より下の録画を見ていただきたくてこのブログを書いた。「日米同盟(軍)による抑止力」を信じる人は、こ番組を見て「目から鱗」を落として欲しい。

NHK総合:歴史ヒストリアム「はるかなる琉球王国~南の島の失われた記憶」
             広告が長いけど、我慢!我慢!我慢!
英雄たちの選択「”命どぅ宝”沖縄県知事 島田叡からの遺言」

参考:
先住民族の権利に関する国際連合宣言
沖縄タイムス
先住民族 | 国連広報センター
国際連合-特に先住民族に関して - 私たちについて/アイヌ民族の歴史
特集 先住民族アイヌの権利確立へ
先住民族の権利に関する国連宣言 - 中京大学


初稿 2015.9.24 更新 2015.9.25 2018.9.7(リンク訂正)

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