日々低温調理をしていると、さまざまな食材がこんなにも美味しくなる!という感動がある一方、本当にこれで良いのか?もっとベストな方法があるのではないか?という疑問も同時にわいてくる。
そこで、自分で実際調理をする中で出てきた疑問を検証してみる。美味しい昆布だしを取るにはどの方法がベストなのか?
前回行った実験「どれが美味しい?究極の昆布だし 比較実験」で、・水だし
・従来の鍋で取る方法
・BONIQの温度別に比較実験を行ったところ、BONIQで60℃(※この時の実験は1時間で行った)の昆布だしが一番旨みが抽出されており、苦味や昆布臭さなどの雑味も少ないことが判明した。
そこで今回は、この1時間という時間がベストなのか?もっと短時間でも旨みを抽出できるのか、はたまた長い方が良いのか?を探る比較実験を行う。① BONIQ 60℃で30分
② BONIQ 60℃で1時間
③ BONIQ 60℃で2時間
④ 昆布を水に30分浸漬→BONIQ 60℃で30分
⑤ 昆布を水に30分浸漬→BONIQ 60℃で1時間
⑥ 昆布を水に30分浸漬→BONIQ 60℃で2時間①②③はフリーザーバッグに昆布と水を入れてすぐにBONIQし、④⑤⑥は鍋でだしを取る従来法のように、フリーザーバッグに昆布と水を入れて常温で30分浸漬してからBONIQした。
果たして結果はいかに・・・。
BONIQ設定
① 60℃ 30min
② 60℃ 1hr(60min)
③ 60℃ 2hr(120min)
④ 60℃ 30min
⑤ 60℃ 1hr(60min)
⑥ 60℃ 2hr(120min)材料
・水 500ml(東京の水道水を浄水器に通したものを使用)
・昆布 10g(テイスティングで比較検証しやすいよう、旨みの強い日高昆布を使用)
《手順》
昆布だしを取る
以下の方法でそれぞれ昆布だしを取る。
はっきり違いがわかる結果が出た。
①②③の「昆布を水を入れてすぐにBONIQしたもの」がクリアで雑味が少ないのに対し、④⑤⑥の「昆布を水に入れて常温で30分漬してからBONIQしたもの」は苦味などの雑味が感じられた。
④⑤⑥の前もって昆布を水に浸しておく方法というのは、美味しい昆布だしを取るのに全く必要がないばかりか、してはいけないということがわかった。
①②③を比較すると、③の60℃2時間BONIQしたものが旨みが一番しっかり抽出されており、クリアで雑味もなく美味しい。塩や味噌を少し溶くだけでそのまま完成度の高い汁になる。
次いで②の1時間も充分美味しいのに対し、③の30分は旨みが不十分であった。
旨みが多くて雑味がなく美味しいのは、
BONIQ 60℃で
③2時間>②1時間>①30分
④⑤⑥はナシ!
という結論になった。
しかし、これではもっと時間を延ばせばもっと旨みがどんどん出続けるのでは?との疑問が出てきたので、さらに
⑦60℃で3時間
⑧60℃で4時間
も行ってみたが、今度はどんどん苦味が抽出されてしまった。
つまり、美味しい昆布だしを取るには、
「BONIQ60℃で2時間」
がベスト、という結論になった。
《作った感想》
低温調理のメソッドで一般的に言われている昆布だしの取り方は「60℃で30分~1時間」のものが多いのですが、今回の実験を通して「60℃で2時間」がベストという結果が出ました。
もしかすると、昆布の種類や水が違うと結果が変わってくる可能性もあるので、さらなる研究を続けたいと思います。
やっぱり低温調理の世界は面白い!
