前回の記事でお伝えした、思いも寄らない事態とは…。
前後のタイヤ交換を終えた「千早」を受け取った日から6日後のこと。この日も休日の早朝を利用して、タイヤの慣らしも兼ねて少し走行しようと考え、「千早」の許へ。いつものように盗難防止錠を取り外し、最後にハンドルロックを解除してハンドルの位置を中央に戻した際、手応えと言いますか、いつもとは異なる重さを感じました。主電源を入れ、発動機を始動して暫く後、TPチェッカーに表示された数値を見て、我が目を疑いました。前側タイヤの窒素圧を示す一桁の数字が赤く点滅しており、実際の前側タイヤもぺったんこ!何らかの理由で、前側タイヤの窒素圧が零となっていました。先ずは釘等の異物が刺さっていないかを確認しましたが、どうやらパンクではなさそうです。真っ先に考えたのが、装着し直したばかりのTPチェッカーの補修用センサーの不具合ですが、この場では分かろう筈もありません。仮に原因が特定できたところで自走が可能な状態ではないため、素直に行き付けのRB某店へ引き上げの依頼をすることにしました。
開店と同時に連絡をし、約1時間後に引き上げのトラックが到着しました。トラックから降りてきたのは、入社数年目と思しき若いサービス氏。現状を確認した後、携帯用窒素ボンベから前側タイヤへと窒素を補充します。規定値よりやや高めの圧まで窒素を充填しましたが、直ぐに圧が下がるようなことはありませんでした。トラックの荷台へ積込用梯子を装着したら、発動機を始動して「千早」を積み込みます。管理人はその様子を傍らで眺めていました。
傾斜を上り終え、車体が荷台の上に乗り切るか、乗り切らないかという状態で、それは起きました。急に発動機の回転数が上がったかと思うと、「千早」の車体が少し前進した後に左側へゆっくりと――しかし、管理人が駆け寄って、手を出して支えるだけの時間的余裕は無く――倒れていきました(今考えると、倒れ方がゆっくりだったのは若いサービス氏が必死に堪えてくれたのでしょう)。先ずは「千早」を2人で引き起こします。後輪が荷台と積込用梯子に限り限り乗っているだけで、車体も進行方向に対して斜めだったので、少し後退してから前進させようと試みましたが、後方から管理人が渾身の力で押してもびくともしません。そこで、一旦路上へ降ろしてから、再度積み込むことにします。今度は発動機を始動せず、助走を付けて2人掛かりで積み込みました。改めて損傷の程度を確認してみると、左サイドカウルと左側エンジンカードに傷が入っただけで、(高価な 笑)タンクやサイレンサーが無傷だったのは幸いでした。そのままRB某店へと引き上げてもらい、積み込みの際の損傷については当然ながら弁償してもらうことになります。
さて、前側タイヤの窒素漏れについて、サービスT氏と話をしたところ、意外な事実が判明しました。TPチェッカーの補修用センサーの再装着時、前側のタイヤとホイールリムとの間から僅かな窒素漏れがあったため、ホイールリムの清掃を行ってから組み上げたという経緯があったようです。今回の窒素漏れの原因として、ホイールの変形やタイヤの不良等が考えられるとのことですが、高速道路上で走行中にパンクしたことがある後ろ側ならともかく(飽く迄、可能性として、ですが)、前側は全く思い当たりません。従って、管理人はタイヤの品質や精度の問題であると睨んでいます。この後の対応としては、METZELERから送られてくる新品タイヤと交換し、件のタイヤをMETZELERで調査する、という流れになりそうです。
これで、管理人のMETZELERに対する信用は地に落ちました。次回のタイヤ交換で、METZELER(PIRELLIも同様)を選択することはあり得ませんね。次回はMICHELIN PILOT ROAD4の一択となるでしょう。
追伸:後日、RB某店の工場長より連絡がありました。前側のタイヤとTPチェッカーの補修用センサーを組み直し、暫く経過を見たところ、現在窒素漏れは無いとのこと。考えられる原因として、補修用センサーの「落ち着きの悪さ」を挙げていました。管理人は直ぐに「落ち着きの悪さ=がたつき、ナットの緩み」を連想しましたが、決してナットが緩んでいたのではなく、再度しっかりと組み直したら改善したということのようです。左サイドカウルの交換と「秘」膜施行、左側エンジンカードの再塗装も完了していましたが、諸般の事情から、「千早」の引き渡しは年明けに持ち越されることになりました。