16日付「20 Minuten」紙(チューリヒ版)のトップ記事:「チューリヒドイツ語は学校で禁止」。
紙面によれば、チューリヒ州の教育審議会 (Bildungsrat) は、今年の夏からチューリヒ州の学校ではすべての学年・教科で標準ドイツ語 (Hochdeutsch) を用いることに決めたそうです。体育や美術・工作などの授業でもこれからはチューリヒドイツ語でなく、標準ドイツ語を使わなければならなくなるという話。
チューリヒの教師連合会はこの決定を歓迎している一方、「スイスドイツ語協会」(Verein Schweizerdeutsch) は厳しい批判を加えています―「標準ドイツ語がチューリヒドイツ語を教室から駆逐するようなことがあってはならない!」(とチューリヒグループの代表が、たぶんチューリヒドイツ語で言ったのでしょう)。
スイスが、ドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語の4つを国の言語として定めていることは割によく知られていますが、「ドイツ語圏スイス」と言った場合の「ドイツ語」は「スイスドイツ語」を意味するのに対して、国語・公用語としてのドイツ語は、ドイツのドイツ語、いわゆる「標準ドイツ語」あるいは「書き言葉ドイツ語」(Schriftdeutsch。この言い方もスイスではよく聞かれます)を指します。
つまり、ドイツ語圏スイスに生まれ育つスイス人は、自分の母語としてのスイスドイツ語以外に、学校で標準ドイツ語を習わないといけないわけです。(それに加えて、小学校の段階からフランス語や英語も習うことになります。)
スイスドイツ語が公用語にならない理由はいろいろ考えられるわけですが、一つには、統一された「スイスドイツ語」なるものは存在せず、各地方の「方言」、と言って悪ければ(でもスイス人自身が「方言」だと言っている)、「地方語」があるに過ぎないということもあります。
いかに各地方の「方言」が異なるかを聞かせてくれる「方言」というサイトがあります。ページの左端にある Karte (地図) あるいは Liste (一覧) をクリックし、その中から好み(?)の地方を選んでください。
公用語としての標準ドイツ語を効果的に習得するには、学校で常に使うのが一番だというのはわかります。しかしなぁ、とも思うのは僕だけではないはず。やっぱり。
母語の使用を禁止される、という点からしてすでに、日本の植民地政策や、沖縄などで使われた方言札を連想させられてしまいます。
小学校で方言を禁止されたら如何に不愉快か、ちょっと考えればわかりそうなものでしょうに。ウチの子どもたちが学校で「共通語」を使うなんて、想像しただけでも身の毛がよだちます。誇り高き関西人(!)は、自分の子どもが学校の授業で東京言葉(厳密に言えば共通語は東京言葉と同じではないけど、でも似てる)を強要されるなんてことになったら、断固反対するに決まっています。という点では、「スイスドイツ語協会」の言い分のほうが理解できる。ウチでも、息子が東京言葉を使っているのを発見したら厳しく指導しております。(娘は常にちゃんとした関西弁を使います。)
しかし、チューリヒの場合は、他の国に強要されているのではなく、自分たちで進んでそうしようとしているというところが、植民地政策とは異なります(授業時間以外で使うのはOKという点も)。この感覚がどこから来るのか、正直言ってよく理解できません。家庭で使うから別にいい、ってことなのか……。バーゼルやベルンの人たちならどう思うのでしょうか。
まぁ、我々外国人にとっては、スイス人がみんな標準ドイツ語を上手にしゃべってくれるのは確かにありがたいわけですが。とはいえ、小学校で強要するよりも、その前にラジオやテレビの人が常に標準ドイツ語で話すよう決めてくれたほうが嬉しいです。ドイツ語スイス放送、定時のニュース以外はよくわからないし。ほら、アイス、ツヴォイ、ドゥリュー……。
紙面によれば、チューリヒ州の教育審議会 (Bildungsrat) は、今年の夏からチューリヒ州の学校ではすべての学年・教科で標準ドイツ語 (Hochdeutsch) を用いることに決めたそうです。体育や美術・工作などの授業でもこれからはチューリヒドイツ語でなく、標準ドイツ語を使わなければならなくなるという話。
チューリヒの教師連合会はこの決定を歓迎している一方、「スイスドイツ語協会」(Verein Schweizerdeutsch) は厳しい批判を加えています―「標準ドイツ語がチューリヒドイツ語を教室から駆逐するようなことがあってはならない!」(とチューリヒグループの代表が、たぶんチューリヒドイツ語で言ったのでしょう)。
スイスが、ドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語の4つを国の言語として定めていることは割によく知られていますが、「ドイツ語圏スイス」と言った場合の「ドイツ語」は「スイスドイツ語」を意味するのに対して、国語・公用語としてのドイツ語は、ドイツのドイツ語、いわゆる「標準ドイツ語」あるいは「書き言葉ドイツ語」(Schriftdeutsch。この言い方もスイスではよく聞かれます)を指します。
つまり、ドイツ語圏スイスに生まれ育つスイス人は、自分の母語としてのスイスドイツ語以外に、学校で標準ドイツ語を習わないといけないわけです。(それに加えて、小学校の段階からフランス語や英語も習うことになります。)
スイスドイツ語が公用語にならない理由はいろいろ考えられるわけですが、一つには、統一された「スイスドイツ語」なるものは存在せず、各地方の「方言」、と言って悪ければ(でもスイス人自身が「方言」だと言っている)、「地方語」があるに過ぎないということもあります。
いかに各地方の「方言」が異なるかを聞かせてくれる「方言」というサイトがあります。ページの左端にある Karte (地図) あるいは Liste (一覧) をクリックし、その中から好み(?)の地方を選んでください。
公用語としての標準ドイツ語を効果的に習得するには、学校で常に使うのが一番だというのはわかります。しかしなぁ、とも思うのは僕だけではないはず。やっぱり。
母語の使用を禁止される、という点からしてすでに、日本の植民地政策や、沖縄などで使われた方言札を連想させられてしまいます。
小学校で方言を禁止されたら如何に不愉快か、ちょっと考えればわかりそうなものでしょうに。ウチの子どもたちが学校で「共通語」を使うなんて、想像しただけでも身の毛がよだちます。誇り高き関西人(!)は、自分の子どもが学校の授業で東京言葉(厳密に言えば共通語は東京言葉と同じではないけど、でも似てる)を強要されるなんてことになったら、断固反対するに決まっています。という点では、「スイスドイツ語協会」の言い分のほうが理解できる。ウチでも、息子が東京言葉を使っているのを発見したら厳しく指導しております。(娘は常にちゃんとした関西弁を使います。)
しかし、チューリヒの場合は、他の国に強要されているのではなく、自分たちで進んでそうしようとしているというところが、植民地政策とは異なります(授業時間以外で使うのはOKという点も)。この感覚がどこから来るのか、正直言ってよく理解できません。家庭で使うから別にいい、ってことなのか……。バーゼルやベルンの人たちならどう思うのでしょうか。
まぁ、我々外国人にとっては、スイス人がみんな標準ドイツ語を上手にしゃべってくれるのは確かにありがたいわけですが。とはいえ、小学校で強要するよりも、その前にラジオやテレビの人が常に標準ドイツ語で話すよう決めてくれたほうが嬉しいです。ドイツ語スイス放送、定時のニュース以外はよくわからないし。ほら、アイス、ツヴォイ、ドゥリュー……。
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