波題目図小柄

波題目図小柄
波に関わる我が国の伝説からもう一つ。文永八年、日蓮上人が幕府批判の理由で佐渡流刑となった。季節は秋、嵐の最中の渡海である。襲い来る大波に舟は今にも飲み込まれんばかりに揺れる。日蓮は数珠を片手に激しく打ち付ける大波に向かうと「南無妙法蓮華経」の七文字を海面に書き記した。その直後、嵐は夢の如く遠のき、舟上の一行は無事に佐渡へ到達できたという。その場面を題に得た小柄。高彫されている部分は象牙であり、小柄の素材としては頗る稀。波は立体的で、彫口は鋭いも素材独特の風合いからなる柔らか味がある。

波題目図小柄
波に関わる我が国の伝説からもう一つ。文永八年、日蓮上人が幕府批判の理由で佐渡流刑となった。季節は秋、嵐の最中の渡海である。襲い来る大波に舟は今にも飲み込まれんばかりに揺れる。日蓮は数珠を片手に激しく打ち付ける大波に向かうと「南無妙法蓮華経」の七文字を海面に書き記した。その直後、嵐は夢の如く遠のき、舟上の一行は無事に佐渡へ到達できたという。その場面を題に得た小柄。高彫されている部分は象牙であり、小柄の素材としては頗る稀。波は立体的で、彫口は鋭いも素材独特の風合いからなる柔らか味がある。