鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

二雅図鐔 景則 Kagenori Tsuba

2010-12-29 | 
二雅図鐔 景則


二雅図鐔 銘 景則(花押)

 冷たい空気に耐えて雅な花を咲かせる梅と水仙。この取り合わせを二雅、あるいは二友と呼んでいる。雪の積もった野の様子を、この派に特徴的な二重の耳で表現している。銀の布目象嵌による耳のありようは、雪洞の中からの風景にも感じられる。雪雲を上部に鋤き込み、金の点象嵌にて陽に反射する雪を表現している。花を銀の高彫象嵌でくっきりと表わしており、可憐で美しい。
 浜千鳥図は夏の景色にも思えるが、三日月との採り合わせは冬を想わせる。秋草に鹿の採り合わせ、雪を採り込んだ図などはそのまま、東龍斎派は秋から冬にかけての季節感を大切にしていたと推測される。