苫舟に千鳥図鐔 幸次
苫舟に千鳥図鐔 銘 幸次造
水辺の風景を捉えた作だが、表裏を描き分けている。表は川辺であろう、前景の野には蕨が大きく描き添えられており、空には時鳥。裏は海辺。浜の岩と遠く夕焼け迫る山並み、千鳥の三者が、広大な空間のありようを演出している。蕨の曲線的表現が殊に美しい。高橋幸次(ゆきつぐ)は清壽‐壽次‐良次‐幸次と続いた工で、時代が下がっている。そのためであろうか、師流とは風合いの異なる世界を模索しているところが窺える。
苫舟に千鳥図鐔 銘 幸次造
水辺の風景を捉えた作だが、表裏を描き分けている。表は川辺であろう、前景の野には蕨が大きく描き添えられており、空には時鳥。裏は海辺。浜の岩と遠く夕焼け迫る山並み、千鳥の三者が、広大な空間のありようを演出している。蕨の曲線的表現が殊に美しい。高橋幸次(ゆきつぐ)は清壽‐壽次‐良次‐幸次と続いた工で、時代が下がっている。そのためであろうか、師流とは風合いの異なる世界を模索しているところが窺える。