今回、ためしに購入したワインは、甲州です。それも、イタリアでワイン醸造の魔術師と云われているリカルド コタレッラ氏による、指導のもとワインが造られた第一弾です。とは云っても愛弟子のニコラ タンティーノも醸造に加わってとアナウンスがあるので、コタレッラさんの会社がコンサルタントを引き受けたのではないかと思っています。それも、弟さんのロレッツオさんはアンティノリの醸造責任者ですし、イタリアだけではなくフランスを始め世界中を相手にコンサルタントを手掛けるフライングワインメーカーだからです。しかし、個人的に好きなエノロゴはロレッツオ ランディーさんです。サンジョヴェーゼやサグランティーノのダダッ子のように暴れる酸を、なだめてすかして落ち着かせる名人だと勝手に思っています。
もう一本のワインは、オルヴィエート トッリチェッラです。1500円くらいのワインでも、熟成感を味わうことが出来ます。5年くらい後に楽しみがきます。
今回抜栓したイタリアワインは、キアンティ クラッシコ リゼルヴァ “ラ セルヴァネッラ”(Chianti Classico Riserva “Vigneti la Selvanella)2001です。このメリーニのキアンティはラッダ イン キアンティのエリアにあります。標高が他のキアンティのエリアより高いため、酸に特徴があります。しかし、ここまでエイジングをすると、酸は穏やか、タンニンは滑らかになっています。このように、なっていなくてはならないのですが。ここまで大人しくなると拍子抜けをします。
先回試飲したカマルティーナとの比較はちょっと厳しい処がありますが。香りのゆったり感や味わいの構成の緻密さは、むしろセルヴァネッラの方が好印象でした。価格も半分以下であるとことを考慮しても、今はセルヴァネッラを進めると思います。しかし今のカマルティーナとはブドウの配合の割合がかなり違っているので、現在は比較をすることができませんが。
この価格で、この内容は嬉しくなります。フローラルな香りは輪郭がくっきり。桑の実、クランベリーのゆったり広がりのある円熟した香り。黒砂糖を思わせるミネラリーな香りはアフターテイストにまで及びます。そのように思いながふと思い浮かんだワインがカステッロ ディ アーマです。アーマにはこれほどのミネラル感はありませんが。グラデーションの描き方が似ていると思いました。
今回抜栓したイタリアワインは初めてレポートを書くカマルティーナ(Camartina)1997です。このワインはトスカーナI.G.Tに分類され、キアンティ クラッシコ地区のグレーヴェ イン キアンティのエリアで造られます。このワインを抜栓したのは、先日、アーマのキアンティ クラッシコ リゼルヴァ カステッロ ディ アーマをテイスティングする機会がありました。その時に感じたのは直近のヴィンテージにして、タンニンと酸は円熟し、飲み頃になっていました。その時、カマルティーナが思い浮かんできました。サンジョヴェーゼ主体といっても構成や割合が違うので、比較をすることは荒っぽい作業になりますが。酸やタンニンに同じような雰囲気を感じました。とはいっても、複雑さや緻密さはカマルティーナが勝っていますが。価格の差が倍あることを考えると、今は買うことはないと思います。
最近、キアンティ地区のワインに魅力を感じなくなっています。以前は、香りや味わいのグラデーションが鮮やかで緻密な感じがしていましたが。厚くもなく深くもない、しかし、緻密で洒脱な感じがよかったのに。そうだね!といった感じに最近なりません。
とはいっても、美味しいワインですよ。コメントは一部書き換えました。
今回抜栓したイタリアワインは、フランチャコルタ ブリュット アンティカ フラッタ(Franciacorta Brut Antica Fratta)です。フランチャコルタは地域特性を2つに分けることができると思います。氷堆積土壌の影響を受けたエルブスコを中心とした西側と、丘陵地帯の東側です。このアンティカ フラッタは東側の地区にあります。
エルブスコ側のフランチャコルタと比べるとフローラルな香りが目立つように思えます。それに、にわずかなハーブの香りに、柑橘系の香りがわずかにあるような気がします。綺麗に四隅まで活き届いたしなやかな酸と立体感のある穏やかな果実味は当店で取り扱ったフランチャコルタの中で、柔らかさと厚みのバランスが一番よいと感じました。
ミネラリーなトレントにフルーティーなフランチャコルタ、それぞれの個性はそれぞれの好みとシチュエーションで使い分けができればと考えて、コメントを書き換えました。,/br>
フランチャコルタは数種類をリストアップしていますが。現在はその中から、2なし3種類の在庫をしています。色々な要望に応えていきたいと思っていますが。思うようにいかないことが現実です。
先月より新着ワインの上の所にPDFファイルのワインリストを添付してあります。