イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

A. A. ピノ ネロ

2019-01-29 21:33:30 | イタリアワイン

アルト アディジェ ピノ ネロ リゼルヴァ ‘ボルツァーノ(Alto Adige Pinot Nero Riserva `Cantina Bolzano)2004です。

このワインは、抜栓し三分の一から二分の一、三分の二へ、と飲み進みながら酸とタンニンが変化しました。但し、二つの川が交わるボルツァーノのアイデンティティとピノ ネロの関係を確定することが出来なかったワインでもあります。

三分の二を過ぎた頃からタンニンが引っかかりを感じなくなると、柔らかな酸がぽわっと浮き上がってきました。同時に香りに変化が、ラズベリーの香りを感じるようになりました。それまで森の黒い果実、煙草、陳皮の香りに微かにラズベリーの香りが加わりるようになりました。しかし、長くコンディショニングを整えても時間軸の変化を捉えることが出来ませんでした。


ドンナス

2019-01-25 12:41:10 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはヴァッレ ダオスタ ドンナス “ナポレオーネ”(Valle d’Aosta Donnas “Napoleon”)2007です。

ピエモンテには同じネッビオーロのクローンを持つカレーマがあります。ドーラ パルテア川沿いに、州境の近くにあります。ピエモンテのカレーマはピクトネル(Picutener)、ドンナスはピコテンドロ(Picotendro)、ヴァッレ ダオスタはフランス語圏なので表記の言葉の違いだと思っています。

カレーマはソリッドな酸が円熟した柔らかな酸に感じるまでエイジングに時間がかかります。切れのいい酸は、それはそれで一つの表現ではあるが、攻撃が過ぎると鬱陶しく感じます。ナポレオーネも同じような傾向はありますが。今回の印象はカレーマの芯のしっかりしたソリッドな酸に対してナポレオーネは穏やかに丸みを帯びた柔らかな酸を感じました。同じヴィンテージを比較していないので、決定的な判断は出来ません。

たばこ、チョコレート、アイリスと桑の実、ラズベリーの中にシナモンの香り。ほのかに香るような穏やかなで滑らかな酸に鞣されたようなベルベティーなタンニンを感じました。

2枚目の写真は40年前に買った、塩田正志著「イタリアワインのすべて」の中のエチケッタの一覧です。


ソアーヴェ

2019-01-19 20:26:30 | イタリアワイン

ソアーヴェ クラッシコ “ロッコロ デル デゥルロ”(Soave Classico “Roccolo del Dulro”)2015をセラーに納めました。

このワインは長めの48時間のスキンコンタクトを施され、外観は黄色の反射が目立ちます。エイジングをしてみないと解らないが、20年後が楽しみなワインです。


サルトネル

2019-01-18 11:58:03 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはアルト アディジェ ピノ ネロ “サルトネル”(Alto Adige Pinot Nero “Saltner”)2004です。

セラーに残された最後の一本です。インポーターが変わり今の扱いはよく分からないワインになりました。このワインはエイジングをすることで変化をわずかに楽しめる程度でした。複雑ではないが、バランスのよい、心を和ませてくれるようなワインです。香りはミネラル感のある森の黒い果実にヒッコリーやオレガノが顔を覗かせます。奥底に苺の香りを忍ばせているような感じがしました。きめ細やかな酸にほっくりした滑らかなタンニン、適度な張りのある果実味は凄さはないが、十分に楽しむことが出来る味わいを感じました。


ピノ ネロ “ヴィッラ ディ バニョーロ”

2019-01-04 17:13:55 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはパンクラツィのピノ ネロ ヴィッラ ディ バニョーロ(”Villa di Bagnolo” Pinot Nero Rosso Toscana I.G.T.)1999です。最後の1本を何時抜栓するか、迷っていたワインです。セラーを整理した契機に味わうことにしました。

抜栓と同時にベリーや陳皮の香りが鼻腔に飛び込んできました。口蓋では、きれいな酸の中にほろ苦いタンニンが咲いているような感じがしました。香りはクランベリー、タバコ、甘草、オレンジピール。

味わいと香りは構成がシンプルに整い、同時に内容は深くなっているような感じがしました。