今回、抜栓したイタリアワインはスフルザート ディ ヴァルテッリーナ “カルロ ネグリ”(Sfursat di Valtellina “Carlo Negri”)2003です。しかし、2003年はカルロ ネグリの名称は記されていませんが、バックラベルは同じ文言が書かれてあります。
2003年は猛暑で夜になっても温度が下がらなかった年、しかし、アルプスの山麓のヴァルテッリーナはネッビオーロ、最北の地区。夜の温度が下がっていることを期待して、分厚い果実味と円熟した爽やかな酸を想像したのですが。酸は円熟をしていましたが、物腰の柔らかな果実味にほろ苦さの残る滑らかなタンニンには。期待外れではあるが、先回の2011年のエイジングの先にある姿と重ね合わさるような感じを受けました。それにしても、ヴィンテージの違いを楽しめなくなったのが残念でした。
香りはヴァニラ風味のサワークリーム、白いバラ、オレンジのピール、ラズベリー。わずかに残るエーテル臭にローストしたコーヒーとスパイシーなアフターテイスト、心地よい余韻。酔い心地の良い、楽しい時間を十二分に過ごしました。