イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ディアーノ ダルバ “ソリ リキン”

2015-11-30 14:19:54 | イタリアワイン

今回抜栓したイタリアワインはディアーノ ダルバ “ソリ リキン“(Diana d’Alba Sori Richin)2007です。ドルチェット種から造られます。

外観は清楚なルビーレッドです。サクランボの香りの中に時折、バラの香りが一瞬薫ってきます。このバラの香りはスミレのニュアンスを持ち合わせ、面白く感じられました。香りと味わいには単調と云う訳ではないのですが、複雑な感じはしません。むしろ端正に四隅を整えた構成力が際立っていると思います。このドルチェットから造られるワインは早飲みに分類されがちですが、3 4年のエイジングで脇の甘さがキュッと締り、快く構成された味わいと香りに仕上がる、と思います。すべてのドルチェットに当てはまる訳ではありません。特にドリアーニのドルチェットの中には、10年以上のエイジングで花開くワインもあり。ピエモンテにはネッビオーロから造られるワインが最高級かも知れないが、こう云った特別な個性を展開するワインもあると思います。

ドルチェットは野菜の料理とマッチングがよい、と云われていますが。僕だったら、短角牛か仔牛の料理に合わせるのがベストかな、と思っています。


ランゲ ロッソ“ダーメ エ フエ”

2015-11-22 22:02:56 | イタリアワイン

今回抜栓したイタリアワインはランゲ ロッソ “ダーメ エ フエ”(Langhe Pinot Nero “Dame e Fuet”)2008です。ブドウはピノ ネロ100%から造られます。

先日の山梨のバルベーラにランゲのバルベーラ、バルベーラが何を目指しているのか。このダーメ エ フエを観賞しながら、ふと頭の四隅に思い浮かびました。ひょっとして、バルベーラの酸はピノ ネロの酸に成りたがっているのかな、と。スパイシーもミネラリーな香りも感じることが出来ませんでした。このことが、さらに、そのように思わせます。この発想は根拠がある訳ではありません。何となくダーメ エ フエを味わいながら思い浮かんだことです。

色調はエンジ色を伴わないザクロ色、深く透明感があります。サクマのドロップ キャンディーのような存在感のある華やかな香りと味わい、とはいっても香料の単調な香りではありません。クリーム、グスベリー、チョコレートの香り。ココアのようなほろ苦さを伴った滑らかなタンニンと艶のある柔らかな酸、に優雅な果実味は鮮やかな陰影に縁取られた味わいがあります。


バルベーラ ダスティー スペリオーレ

2015-11-14 20:22:35 | イタリアワイン

今回抜栓したイタリアインはフロンテのバルベーラ ダスティー スペリオーレ(Barbera d’Asti Superiore)2011です。

先日訪れた国産ワイン、特に北海道ワインを中心にしているワインバルで山梨産のバルベーラのワインを頂き。これが、ピエモンテのバルベーラと比べても遜色のないワインでした。むしろ、タンニンの曖昧さはエミリア ロマーニャのバルベーラかな、と思わせ。なかなかの出来でしたが、プライスを考えるとバランスが悪いように思えました。

じっくり向き合いグラスを傾けるのが初めてのワインです。近年のバルベーラは野武士のような無骨な酸が、滑らかで飲み易い。どこか気取ったワインになり、何か物足りなさを感じます。フルーティーな香りは拾えましたが、ミネラリーもスパイシーな香りは拾うことは出来ました。とくに酸とクリーミーな香りや味わいはサワークリームと云うよりはヨーグルトを思わせます。味わいの構成はバランスも良く滑らか。でも、物足りなさだけが余韻として残りました。