イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

4月17日、何気に抜栓してしまった、ピーコ。

2009-04-18 09:25:57 | 食・レシピ

 ビアンカーラ社の“ピーコ(Pico)”はガルガネガ100%を木樽で熟成され二酸化硫黄は無添加、ノンフィルターで瓶詰めをされます。入荷した当時は浮遊物が多く沈澱させるのに時間がかかると思っていました。先日、仕事が終わり補充のために自宅のセラーを整理していると、視界の中に透明になっているピーコが飛び込んできました。何も考えずに手に取り、居間に落ち着き抜栓してから気が付く、なぜ抜栓したのだろうと考えるも、後の祭り。グラスに注ぐと濁っているような感じの色合いはとても美しいとは言えませんでしたが。何よりも味わうのが早すぎでした。深い海の底で固く口を閉ざした貝のように酸がすべての表情を覆い隠しているようです。その中でも、ちらりとこぼれるナッツの香りとしっかりした果実味は複雑さはまだありませんが。これから花開くような予感を充分に感じさせてくれます。このワインが産出されるガンベッラーラのエリアはソアーヴェの隣です。自然派生産者が造るワインということもあり、ブドウ品種が同じで、アプローチの仕方が違うにしてはあまりにもワインが違いすぎると感じました。エニシダや桃の香りにナッツの香ばしい香りは、何となく共通した面は感じられますが。同社のイ マシエリ(I Masieri)にしてもそうですが。ソアーヴェとは違った表現をするワインです。