イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

奥出雲ワイン、ソーヴィニヨン ブラン

2015-10-27 22:00:18 | イタリアワイン

日本のワインを抜栓しました。お客さまから頂いたワインで、奥出雲ワインのソーヴィニヨン ブラン(Oku-Izumo Vineyard. Sauvignon Blanc)2014です。

ソーヴィニヨンとして想像できる範囲内のワイでした。淡いオレガノの香りに、柑橘系の香りはマンダリン オレンジの甘い香りと文旦を混ぜたような気がしました。それに絡まるようにピール、揮発性のバルサムのような気がする香りを感じます。バルサムは思い浮かんだ香りで、そうかな?と思った香りです。

颯爽と爽快感のある酸は気持ちよく浮き浮きした気分にさせられ。ほんのりと温かみを感じる果実味は、複雑には感じないが安心感があります。

何と云ってもほろ苦さが美味しく感じられます。余韻が綺麗で、嫌味なく素直に入ってきます。其れに、アーモンドのオイリーな感じの味わいが、何気なしに感じます。ソーヴィニヨンにアーモンドのニュアンスが在ったかな、と思いましたが、ちょっと不思議な感じでした。

抜栓するの早すぎたと思われます。3ヶ月間くらいのコンディショニングをすれば、良かった、と思っています。


ワインリストに追加

2015-10-23 21:47:55 | イタリアワイン

バルベーラ ダスティー “ブリッコ デッルゥッチェローネ(Barbera d’Asti “Bricco dell’Uccellone”)2010と2012をワインリストに追加しました。

試飲もせずに購入しました。ピエモンテの2010年は理想的な天候で造り手が手も足も出なかった年。2012年は春が遅く雨にたたられ、しかし、夏は暑く(整理障害を起こすほどではなかったらしい)秋は平年並み。バルベーラに関しては、この夏が暑かったに異常反応をしてしまいます。裏打ちされた根拠がある訳では無いのですが、何かいい年に当たったような気にさせられます。近年のバルベーラは醸造方法が変わったように感じます。酸を無理矢理に剥がされたようで、遊び心を感じない、優等生になったようで、つまらなくなりました。一本芯の通った頑なな酸、実は物事をよく考えていない大らかさがバルベーラにあるように考えているのは、私だけでしょうか。


カレーマ リゼルヴァ 1999

2015-10-22 21:42:00 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはプロドゥットリー ネッビオーロ ディ カレーマのカレーマ リゼルヴァ(Produttori Nebbiolo di Carema- Carema Riserva)1999年です。

カレーマは厳しい酸に最初は戸惑うほどでした。最近のヴィンテージは試飲をしたことが無いので、変化の具合は解りませんが、きっとモダンティストになっていると思います。導入したての頃は、飛び上るほど酸っぱいワインでしたので、抜栓価格を一時的に入れずにヴィンテージのみを表示していました。

色調はわずかにレンガの反射のあるルビーレッドです。しかし、老けた感じはしません。真っ先に直観した香りはドラゴン フルーツです。これは思い付きで在ったとしても、初めて感じる香りでした。それにサワークリーム、シナモン、桑の実の香りはコメントに書き込んだ頃より、エイジングが済んで変化したと思われます。レーザー、腐葉土、煙草のような香りを期待していたのですが、思い浮かぶのはヨモギ。餅の甘い香りのする蓬餅のように感じることも、初めてのような気がします。これは体調によるかもしれません。穏やかな酸と滑らかなほっくりしたタンニンはエイジングをしなければ、出てこない味わいだと思います。調和の良い味わいはグミを口に含んでいるような立体感があります。


アルト アディジェ ピノ ネロ “サンクト ヴァレンティン”

2015-10-10 21:39:51 | イタリアワイン

今回抜栓したイタリアワインはアルト アディジェ ピノ ネロ “サンクト ヴァレンティン”(Alto Adige Pinot Nero “Sanct Valentin”)2006です。

色調は奥が見通せる、一点の曇りのないピュアなルビーレッド。香りはスパイシーでラズベリーの中に、時折レッドカーランツが割り込んできます。それに灌木、腐葉土、煙草の香りは、さながらラズベリーの果樹園に迷い込んだような感じです。ぷっりとした柔らかな酸とシルキーなタンニン、洗練された輪郭の鮮明な果実味。味わいは複雑とか重層的ではなく、と云って単調ではない、深淵は奥深さがあり。寡黙で優雅な印象を残します。

5年間のエイジングですが、未だに若々しい外観に思わず見とれてしまいます。それは、ファションモデルのランウェイでのドモンストレーションを見ているような、アピールはするけれど、媚びることのない美しさがあります。とにかく訴えてこない、しかし、美味しいなと感じる万感の思いにしっかり持っていかれてしまいます。味わっている最中に脳裏を過ったのが、雉と猪を食べたくなったことです。清楚で上品に感じるのに、ガッツリ肉を食べたくなりました。


モンテクッコ サンジョヴェーゼ リゼルヴァ “ポッジョ レオーネ”

2015-10-02 22:02:16 | イタリアワイン

今回抜栓したイタリアワインはポッジョ レオーネのモンテクッコ サンジョヴェーゼ リゼルヴァ(Montecucco Sangiovese Riserva Poggio Leone)2010です。

2010年のヴィンテージ情報では、理想の1年であったと報告されていました。バローロ、バルバレスコの2010年はすべて確認をした訳ではありませんが、今からでも抜栓してもいいような状態です。但し、眠りに就く可能性はあります。アマローネは試飲をするチャンスが無く、何とも云えません。このモンテクッコを購入する時は、ヴィンテージ情報から窺い知るより、タンニンは荒く、酸も角が立っているような状態で、エイジングが必要だなと考えていました。以前に購入した2006年はコンディショニングをするだけでよさそうな感じで、対照的なヴィンテージだと思っていました。それにしても、これからリリースされるブルネッロが楽しみです。

昨夜、抜栓して味わっていたのですが。香りをチェックし口に含んで、最初に思ったことは、川を挟んで対岸のブルネッロです。モンテクッコは2年間のエイジングで、しっかりしたタンニンはほっくりとし、酸は清楚に感じました。これならば、ブルネッロもうかうかしていられないのでは、と思いました。因みに、コメントは一部書き換えています。