イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ビアンコスピーノ&カドモ

2020-01-31 17:31:30 | イタリアワイン

ビアンコスピーノ(Biancospino Toscana I.G.T.)とカドモ(Cadmo Toscana I.G.T.)を購入しました。

ビアンコスピーノはトレビアーノ トスカーノ種85%で造られます。生産者が同行した試飲会の折に、「どうぞ」、とばかりに進められたワインです。興味の薄いトレッビアーノ、と思いつつ注がれるままにしていました。しかし、このワインはミネラリーの塊。すぐに担当者に率直な感想と低い評価をしていたトレビアーノ トスカーノの再評価を伝えました。四隅の切れの良い爽やかな香りに味わいにはとても好感が持てました。今まで、何の変哲もない、と思っていたキアンティ モンテスペリトリがトレビアーノにとって最適な土地なのかもしれません。

もう一つのカドモはサンジョヴェーゼに5%のトレビアーノが混醸されて造られます。しかし、キアンティではなくI.G.T.の規格で売り出されています。今のキアンティは白ブドウの混醸されるワインは非常に珍しい、と思いますが。何も嫌う造り方であるとは思っていません。トスカーナのサンジョヴェーゼにしては、スミレやアイリスの香りがしません。そして、認めたくない苺のニュアンスの香りを感じます。これもモンテスペリトリの個性かな、と思っています。サンジョヴェーゼに認めたくないニュアンスではありますが、ゆっくり12本を楽しみたいと思っています。


モンテプルチアーノ

2020-01-17 20:29:10 | イタリアワイン

昨夜、抜栓したイタリアワインはヴィーノ ノービレ ディ モンテプルチアーノ デル チェッロ(Vino Nobile del Montepulciano del Cerro)2004です。

兎に角、安定している。静かな印象だけが目立つワインだ、と思います。キアンティでもないし、モンタルチーノでもない、丸っとした酸に伸びやかなタンニン。スミレの香りにミネラリーな香り。主張をし過ぎないおっとりした香りと味わいを感じました。

今日はシアターキノで「トスカーナの幸せなレシピ」を観てきました。アスペルガー症候群の子と料理を通してシェフとの物語です。エンドロールにBanfiとdel Cerro記載を見つけました。多分ロケ地に使われた、と思われますが。支持をしているワイナリーなので、嬉しくなりました。


ラ ルスティア

2020-01-14 20:39:32 | イタリアワイン

昨夜、抜栓したイタリアワインはエルバルーチェ ディ カルーゾ “ラ ルスティア”(Erbaluce di Caluso “La Rustia”)2008です。

熟成感を期待出来る、と思い抜栓したのですが、まるでレモン飲料。期待に反してフレッシュ感できゃぴきゃぴした香りと味わいに戸惑いを覚えました。エルバルーチェはレモンバームやレモングラスに似たグラスとレモンを合わせたような香りが特徴です。以前数年エージングしたエルバルーチェの印象はパルミジャーノ、サイレージに似たような香りがしました。

サイレージはサイロで保存した牧草です。今はお目に係れませんが、10代の頃、搾りたての牛乳を飲みたさに牧場の手伝いをしたことがあります。牧草の発酵臭は最初、チーズや牛乳のような香りでした。しかし、簡易サイロで牧草を取り出し作業は、最初は良かったのですが、段々と気分が悪くなり、表に出てしましました。その時の香りは強烈な印象で残っています。

エルバルーチェのエルバは草、もしくは本草の意味です。レモングラスやレモンバームのような香りが熟成することで、パルミジャーノやサイレージの香りに変化する。何か解りやすいワインだ、と思っていたのですが、変えなければと思っています。


キアンティ ラ セルヴァネッラ

2020-01-06 21:34:39 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはキアンティ クラッシコ リゼルヴァ “ラ セルヴァネッラ”(Chiati Classico Riserva “La Selvanella”)2006です。

最初に飛び込んでくる、苺のリキュールを思わせる香りと味わいは少々複雑な思いがあります。スミレの香りは拾うことは出来ずに、ジャーマン アイリス、桑の実、ココアの香り。リリースされてから10年が過ぎミネラリーな香りが明確に浮き上がって来たのかな、と思います。

畑はラッダ イン キアンティにあります。思いとしては四隅がしっかりと明確な香りと味わいを期待していたのですが、今回のラ セルヴァネッラは柔らかさが目立ち、むしろ甘さのような印象がりました。心境は複雑、思い描いていた姿には及ばず、見当はずれのワインでした。残念。しかし、美味しい個性的なワインです。これからも眺めていたい、と思わせるワインです。


モンテプルチアーノ アジノーネ

2020-01-02 19:36:50 | イタリアワイン

昨夜、抜栓したイタリアワインはヴィーノ ノービレ ディ モンテプルチアーノ “アジノーネ” (Vino Nobile di Montepulciano “Asinone”)1997です。

香りと味わいは今なおフレッシュな感があります。それでも、タンニンは果敢にアタックを仕掛けてきます。リリースされて20年、酸とタンニンが滑らかに親和性を増して行くだけと考えていましたが。力業ではない、力量を試すように攻めきます。

香りは、オレンジピール、桑の実、アイリス、チョコレートを練りわせたような心地よいカオスを感じます。味わいも同じような感があります。それでも、テクスチャーは鮮やかで奥行きの深さを感じました。