イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

グレコ ディ トゥーフォ クティッツィ 2007

2011-01-23 08:24:17 | ブログ

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フェウディ ディ サン グレゴリオ社、グレコ トゥーフォ クティッツィ(Greco di Tufo CUTIZZI)は特別な日に開けたワインです。グレコ種100%を大樽とステンレスタンクで熟成をされた白ワインです。写真からは解りづらいかもしれないが、かなり重く(930グラム)大きな瓶に詰められています。
形容詞に上等な高級を付けたくなる、林檎や洋梨の香りが豊かに漂い、後を追うように白桃の香りが加わります。その他に、タラゴンやミントのようなハーブの香りも有ります。香りの印象はふくよかで、グラデーションの一段一段に艶やかに、上品に、優雅に演出が施されています。たっぷりした果実味は大きく立体的な広がりを舌の上に抱え込み、それはまるで海を再現しているようです。と言いたくなるくらい果実味に広がりがあります。酸も上品に滑らかで、何となくスパイシーなアフターテイストが心地よく感じられます。旨い旨いなを連発し、頭の中はぐるぐる回転でご満悦。ついつい調子に乗り、2本目のキャンティを抜栓してしまいました。次の日は飲み過ぎで、胃の調子が最悪で体がだるい。食事は普通に取ったのですが。一日中気合が入らずじまい。深く反省。


ヴェルディッキオ ディ カステッリ ディ イエージ クラッシコ スペリオーレ“カサル ディ セッラ”2006

2011-01-19 08:35:35 | ブログ
Photo このクラスのワインはフレッシュな果実味や酸を楽しめ、全体のバランスが取れていればいいと思っています。しかし、私の悪習ともいえる白ワインといえども、熟成香を楽しみたい。そのように強く願っていると、ついついセラーに多めのワインを買い置きをしてしまいます。このカサル ディ セッラもセラーに置かれること3年が経ち、待ち望んだ状態になってくれました。
ヴァニラとカモミラのようなハーブの香り、桃とオレンジのような柑橘系の香りは適度な厚みと豊かさがあります。いまだに酸は新鮮で、熟成香を伴った果実味に蜂蜜のような濃厚な味わいは、このワインのポテンシャルの高さを物語っていると思います。そもそもはフレッシュさを味わうワインです。ですから、味わいの濃度は高くありませんが。そのことにあまり意味が無いと思います。むしろ造りがしっかりしていれば、次の展開に楽しみが待っていることを教えてくれるようなワインです。もうひとつ触れておかなければならないことは、苦みです。ソアーヴェにしてもそうなのですが。心地よいと表現するに相応しくなっていると思っています。

テッレ ネレ社 エトナ ロッソ “フェウド ディ メッツォ” 2005

2011-01-13 08:57:21 | インポート

Photo 前回の続きのような、テッレ ネレ社のエトナ ロッソの単一畑フェウド ディ メッツォ(Etna Rosso Feudo di Mezzo ?Il Quadro delle Rose-)のワインです。熟成はバリック樽(225L)で18ヶ月間されます。
同じ会社のワインだけに香りや味わいの構成が似ています。単一畑の個性をどのようにして表現をいるのか、今の時点では把握していません。それとエトナ ロッソの全体像も把握をしてはいないので。今はわずかな試飲の結果だけを頼りに手探りの状態の中で私の好みから、この原産地呼称のワインの理解を深めたいと思いる最中です。
前回でも触れたブルゴーニュのピノ ノアールとの類似点は確かにそうだと思います。しかし、ミネラリーな香りと味わいはエトナを意識させてくれる、目印だと思います。このミネラリーな香りや味わいが難物で、どのように表現してよいのか思案中という情けない状態ですが。かすかな記憶があります。それは、バローロの瓶熟成の最中の状態で抜栓してしまい、まだ全体がまとまりの無い状態の時に同じような経験があります。暫くの間は表現にならないもどかしさに身がよじれる思いが続きそうです。
もうひとつ特徴的な香りはオレンジの砂糖菓子とサクランボです。残念なことはつんとくるエーテル臭が煩わしく感じられオレンジのアルコール漬けような、シロップ漬けのような、キュラソーのような香りに惑わされたことです。抜栓の時期が早すぎたようです。しばらく、このエーテル臭が心地よく感じられるまで、時の流れに任せることにします。


テッレ ネレ社 エトナ ロッソ 2009

2011-01-07 10:13:28 | ブログ
Photo エトナ ロッソ(Etna Rosso)2009はネレッロ マスカレーゼ98%とネレッロ カップッチョ2%をステンレスタンクで6ヶ月間の後、木樽で6ヶ月間の熟成をされます。
このエトナ ロッソはインポーターのコメントが一様にブルゴーニュのワインのようだと解説がされています。たしかに苺やラズベリーの香り、酸の優しさやタンニンがさらりとした感じが似ているような気がしますが。ミネラリーな香りや味わいは似て非なるワインだと思います。特に香りの華やかさは、子供の頃にドロップ キャンディーの缶を開けた時のときめくような胸中を思い出します。しかし、今となっては人工的で単調な香りに当時のような思いはありません。とは言っても、私好みのワインです。
このエトナ ロッソの産地はシチリア州の東側に位置しているエトナ山を東から全体の4分の3をぐるりと囲むように指定されています。エトナ山は北緯38度の下に位置し映画グランブルーで有名になったタオルミナの港から望むことが出来る3342mの活火山です。日本では福島県と同じような緯度にあり。気候が温帯モンスーンに属しているので、イタリアの地中海性気候とは大きく違い(梅雨前線や台風の影響を受けない)ますが。イタリアと日本は緯度だけを話題にすれば同じように太陽の恩恵を受けていると思っています。そして、シチリアはトロピカルな南国ではないのです。