イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

新たに白ワインを追加

2013-03-30 09:51:11 | ブログ

Tre_vino

“リボッラ ジャッラ”ヴェネツィア ジュリア I.G.T. ‘パラスコス
“カイ”ヴェネツィア ジュリア I.G.T. ‘パラスコス
“ヴィトヴスカ”ヴェネツィア ジュリア I.G.T. ‘カンテ
以上、3種類のイタリアの白ワインをワインリストに加えました。パラスコスのワインは桶を使って醸し発酵をしたワインです。3~5日間の発酵なので強烈な個性はありませんが。それでも、現在支流になっている低温スキンコンタクトで造られるワインと比べるとわずかながらタンニンを感じられるワインなので、違った楽しみがあります。
2番目のカイ(Kaj)のブドウ品種は以前トカイ フリウラーノ(Tocai Friulano)と名付けられていましたが。ハンガリーのトカイに名称裁判で敗れ、フリウラーノに変更になりました。よほど口惜しいのかラディコンはヤーコット(Jakot)の名称を提案し、数名の賛同者と共に、この逆から書いたワイン名を使用しています。このカイはTocai のToを抜いてKajの名称を付けたと思われ。フリウリの人達の沈黙の抗議が伝わって来るような気がします。
ヴィトヴスカはフリウリの土着品種です。造っているカンテは、何かと変人扱いをされている人ですが。ワインはいたって実直な感じがします。両方に言える事ですが。エチケットのデザインを見ても、ストレートにワイン哲学をぶち抜いているような感じがします。
個性的なワインなので、料理との相性は未知数です。しかし、今、頭の中で浮かんでいるはリボッラとカイは桜肉のカルパッチョ、北寄貝サラダ仕立て、Aバイのサラダ仕立て。ヴィトヴスカは鹿肉のポルペティーノ、カモの燻製が思い浮かんできました。


チリ産スプマンテ、バルディビエゾ・エクストラ・ブリュット

2013-03-25 10:20:08 | ブログ

Photo 今回はチリ産のスプマンテです。インポーターの案内の中から、1500円のメトド クラシコ(瓶内2次発酵)を発見しました。スペインのカバにも同じような価格帯のワインがありますが。興味をそそられたのでサンプルを取りやせました。
桃、洋梨、黄色いリンゴの香り、爽やかな酸にフルーティーな味わいはこれがなかなかゴージャスでした。難を言えば、泡が三ツ矢サイダーのような大きさの泡で粗雑。しかし、この価格ならば、十分に納得をしなければいけないと思いました。ならば、イタリア産に1000円台のメトドクラシコを探しても、今のところ見つかりません。同じインポーターですが。ロータリのトレント ブリュットが2200円であります。700円の差をどのように考えるか。ランブルスコ、サンテロ、モンテベーロスプマンテならば同じような価格帯でありますが。そこはさすがにメトドクラシコ、泡の優雅さは粗雑と言われながらも、それでも優位にあると思います。1500円のワインとしては、○を付けます。


トレント ブリュット リゼルヴァ “アルテマージ グラアル”2003

2013-03-22 09:41:50 | ブログ

Photo_2 トレント ブリュット リゼルヴァ “アルテマージ グラアル”(Trento Brut Riserva Altemasi Graal)2003を抜栓しました。 ワインリストに掲載しているコメントは、導入する時にも伝えましたが、ノーマルタイプを多少誇張して書きました。しかし、図らずも泡を除けば筋書きのままになっていました。香りが清楚で愛らしい味わいは、歪みがなく、程よいスケールで、品がよい、テクスチャーの構成と調和のよさが、目の中でストリート展開を起こすような錯覚をしました。その中で泡の表現がありきたりな「スムーズでシルキーな泡」になっていて、気の利いたフレーズが出てきません。インポーターのテクニカルシートには真珠のような、と書かれてありますが。まさにそのようだと思いました。私には、泡が弾けずにコロコロと咽喉をすり抜けていくよう感じがしました。
リストのコメントは以下のように差し替えました。
シャルドネ70%、ピノ ネロ30%をステンレスタンクとオーク樽で熟成の後、瓶内2次発酵を48ヶ月間以上されます。リンゴ、モモ、ハチミツのカラフルな香りにナッツの芳ばしい香りは複雑で歪みがなく清楚。愛らしい素直な酸にエレガントな果実味は骨格がしっかりしたバランスの優れた味わいがあり、スムーズでシルキーな泡とミネラリーなアフターテイストに心地よい余韻が続きます。

熟成期間について気になるのがバックラベルを見るとSboccatura(ぶどう酒の瓶の上澄みを取る)2010と記されています。これはデコルジュマンと同じ意味ですが。インポーターのテクニカルシートには48ヶ月間以上とありますが。逆算すると、この2003も72ヶ月間のシュールリーの状態である事が解ります。間違ってはいないのですが。どうせなら72ヶ月としたほうが、ありがたいスプマンテのような気がするのですが。私だけでしょうか。


フレスコバルディ社、キアンティ ルフィーナ モンテソーディ 1997

2013-03-19 10:35:59 | ブログ

Motesofi_1997_f

今回、抜栓したイタリアワインはキャンティ ルフィーナ モンテソーディ(Chianti Rufina Montesodi)1997です。10年ほど前に試飲をした時以来の抜栓になります。当時のコメントを見返すと樽の香りに惑わされていた事が窺われます。香り味わい共にふっくらした柔らかさと陰影の深さにため息が出るような安心感を覚えました。それに伴い、コメントは一部書き変えました。

サンジョヴェーゼ100%をステンレスタンクで一次発酵、木桶での発酵を後に、バリックで24ヶ月間の熟成をされます。コーヒーやココアのかぐわしい香りとバルサミコ、石墨、桑の実、ラズベリーの引き寄せられるような香りは充実した心地よさがあります。滑らかさをたっぷりと抱きかかえたようなシルキーなタンニンとふっくらした柔らかな酸、圧倒される滑らかな味わいは、安心感を覚え、スパイシーなアフターテイストに心引かれるような余韻は長い持続性があります。


西友のバローロ

2013-03-12 09:49:37 | ブログ

Barolo 毎週、日曜日は近くの西友に買い出しにいきます。今回、久しぶりにワイン棚のチェックをしていると1650円のバローロを見つけました。早速、購入をし、その日のうちに抜栓をしたのでコメントを書きます。
木イチゴや野イチゴ、わずかにシナモンの香り。素朴で可愛らしい酸と滑らかなタンニン、ふわふわした柔らかな果実味には軽快な味わいがあり。フルーティーなアフターティストに心地よい余韻を残します。
この価格ならばランゲ ネッビオーロやネッビオーロ ダルバの当店の仕入れ価格になります。流通の経路が違うので比較は出来ませんが。私の考えるボトムのネッビオーロの仕入れ価格の範囲に入ってくるバローロで、なおかつバローロとして認めても差し支えない内容になっています。

売り場には他にあるイタリアワインより2倍の価格が付けられています。しかし、すぐに飲める、無難な味わい、陰影は薄いかもしれないが。コストバリューを考えると十分にお値打ちであると思います。誤解のないように、この「無難な味わい」と書いたのは悪い意味ではなく、初心者に受け入れやすく、難解さがないために自称通と言われる人たちには突っ込みどころ満載なワインだと考えているからです。それにしても、西友のバイヤーさんはツボを抑えるのが上手いと思いました。