イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ウニタ ロゼ

2017-10-28 15:56:08 | イタリアワイン

今回は日本のワイン、ウニタ ロゼ(UNITÀ Rose)を抜栓しました。キャメルファームの収穫ボランティアのお礼で頂いたワインです。北海道と山梨県の4種類のブドウから造られます。醸造はリカルド コタレッラ率いるグループの一員が監修に当たっています。

キャメルファームは今年から一部のブドウからワインを造り始めています。セラーの中には真新しい道具が整然と並び、設備もワイン造りに必要な環境のコントロールがされています。杜氏に当たるエノロゴは、マルコさんです。収穫のボランティア当日は、ケルナーの仕込みをしていました。珪藻土をフィルターとし、不純物を取り除く作業をしていました。不純物をどの段階で取り除く、取り除かないはワインの方向性で決まります。クリアーなワイン造りをしたいのだ、と思います。

ウニタの印象は裏書に記されている、そのままだと思います。特に香りは中国の香辛料、五香粉かスターアニスに感じた点と山椒のようなわずかにピリリとした感じがありました。酸はフニュとした柔らかさ、果実味は中庸でスラリとしています。フイニッシュはすっきりとした綺麗な切れの良さがありました。


ゲベュルツ・トラミネーリ “カンパネル”

2017-10-26 14:01:55 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはアルト アディジェ ゲベュルツ・トラミネール “カンパネル”(Alto Adige GewurzTraminer “Campaner”)2006です。

昨日は姫路から鳴門、そして高知へと旅行し帰札。カボスと柚子の香りが脳裡に浮かび、セラーの中より取り出したのが、カンパネルです。特に印象深いことは無かったのですが、理由もなくカボスとカンパネルがセラーの中で結びつきました。

定番のライチと白桃の香りを拾うことができず、最初に杉の香りが飛び込んできますが、何か合点がいかない。ミネオラ オレンジ、アプリコット、白い花の香りはプリッとした弾力があります。ぺトロール香は付いていません。静かに滑らかな酸と陰影の豊かな果実味。香りと味わいは熟成感と言うよりは、まとまりよく結束力が強まったように感じられます。弾力がありスケール感もあるのは、アルコール度数が14.5%だから出来ているのかな、と思いました。


バローロ

2017-10-17 14:46:05 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはレ ヴェルサンティのバローロ(Barolo `Re Versanti)です。

2500円強のバローロ、コスパだけが取り柄かな、と思っていたのですが、12本目にして漸くバローロであることを確認。こんなことなら急いで飲まなければよかった、と後悔をしているところです。

複雑さは無いけれど、香りと味わいはまとまりがいいと思います。若々しさは拭えませんが、荒いとは、感じませんでした。白いバラ、ナツメグ、アイリス、腐葉土の香りはプライスを考えると出来が良いと思います。酸とタンニンは、その存在感をしっかり確かめることが出来ます。そして、ふっくらした果実味も好感度でした。


甲州バレル

2017-10-13 14:44:32 | イタリアワイン

今回は日本のワイン、シャトー酒折の甲州バレル(Koshu Barrel)2012です。

香は杏子、ゴールデン デリシャス、ジャーマン アイリス、グレープ フルーツのピール。ハーブのような香りがジャーマンアイリスの香りと被っているように感じ、輪郭のきりりとした印象です。

前回は今後、恐らく下降線を辿って行くのではないかな、と思っていましたが、違った一面を見せてくれました。味わいと香りは輪郭のくっきりした力強い印象を受けました。当初は危うげない繊細な香りと味わいに甲州にしか出来ない、日本のワインかな、と思っていましたが。予想もしていなかった変化に戸惑いを感じています。

酸に覆い被さるようなほろ苦さは、邪魔に感じました。はっきりしたミネラル感が、そこにあれば、違った印象になるのでは、と思います。2年くらい先を楽しみに抜栓をしたいと思っています。


カーザマッタ

2017-10-03 13:20:32 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはカーザマッタ(”Casamatta” toscana I.G.P)2011です。

昨日、ワイン会用のワインを取り出しにセラーへ。奥まったところに置いてあり、ついでに手前の把握しきれていない数箱の中を覗くとTestamattaに紛れてCasamatta2011を見つけました。まずは状態を心配したのですが、それより、何だか、損をした気分になりました。

香はアイリス、桑の実のおぼつかない香りに、ナツメグ、ペッパーの香りを感じたりしなかったり。旬を過ぎたなごりの雰囲気が漂った風味がありました。存在感を消しているのではないか、とも感じました。そして、静かにフェードアウトする味わいを楽しみながら、空いた瓶を横に、私は酩酊船の中でした、満足。