今回抜栓したイタリアワインはアンセルミのカピテル クローチェ(Capitel Croce Veneto Bianco I.G.T.)2006です。セラーに納められてから5年、状況を見るために味わうことにしました。このワインはソアーヴェ クラッシコの呼称を使用できます。しかし、過去にクラッシコの範囲を拡大することに反対して、地理的要件の広いI.G.P.の呼称に移行したワインです。
アンズやイチジクの摘みたての清純な香りに、柑橘系の爽やかな香りは、当初感じていた印象とは変わっています。濃厚な香りから、コメントに書いてあるように、洗練された上品さが輪郭に徐々に表れ、ふくよかでくっきりした香りになっています。さらりとした柔らかく甘さを感じる酸にふっくらした果実味は、立体的な厚みに、グミのような弾力があります。当初感じていたわずかなタンニンは生りを潜め、代わりにミネラリーな味わいを感じました。このミネラルはソアーヴェ レ ビーネとは異質な感じがあり、おそらく土壌の影響だと思われます。リリースされ、すぐに抜栓しても差し支えないワインだとおもっていますが。5 10年とエイジングをすることで違った一面を見せてくれるワインでもあります。
今回抜栓しイタリアワインはカンポフィオリン(”Campofiorin” Rosso del Veronese)2009です。このワインは以前、アマローネの搾りかすで再発酵させてから熟成させていましたが。現在は陰干しをしたブドウで再発酵させるダブルファーメンテーションという古来のリパッソ製法で醸造されています。戦略的な意味は解りませんが。D.O.C. ValpolicellaからI.G.T.の呼称に変更をしたワインです。
酸の柔らかさが華やかで、一瞬バルサミコを思わせます。香りを振り向くとバルサミックな印象が浮かび上がってくるような気がしました。タンニンも程よい存在感があり、苦味は雑な感じがなくアマローネより明確な印象があります。これもくっきりした味わいが、そのように感じさせてくれるのかもしれません。立体感のある果実味、硬直的でない、強くバランスの良い味わいは抱擁力があります。アフターテイストも心地よく、余韻も心地よく楽しめます。
景品に釣られて買ったワインですが。あっていいヴァルポリチェッラのバリエーションの一つになりました。