イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ゼルビーナ社アルバーナ ディ ロマーニャ パッシート“アッロッコ”

2010-05-18 10:50:18 | 食・レシピ

Photo 新しくワインリストに加えられたワイン、完熟し貴腐菌が付いたアルバーナ種から造られる甘口ワインです。以前から天候に恵まれた年に造られたワインをリストアップしようと考え、サンプルをいくつか候補に挙げていたのですが。扱いのあるワインが少なく、試飲できたのはこれだけでした。もうひとつ、積極的に探さなかったのは“アッロッコ”が貴腐ワインであり、それだけの理由であったことも事実です。
柑橘系や白い花を連想させる蜂蜜の香り、エニシダのような青い葉の香りもあります。しかし、甘口ワイン特有の濃厚な甘い香りは爽やかさを感じさせてくれます。わずかな酸と心地よいほろ苦さはひたひたとゆったりした広がりがあり、長い余韻と、名残にヴァニラの香りがします。


バローネ リカーゾリ社、キャンティ クラッシコ “カステッロ ディ ブローリオ”1997

2010-05-16 20:53:26 | 食・レシピ

Img_0589

飲み頃をようやく迎えた1997年は抜栓する前から、心躍るような気持ちにさせられます。森の黒い果実にマシュルーム、タバコ、シナモンの繊細な香りは丹念に練り込められたような複雑さがあります。鮮やかな酸に柔らかくベルベットのような滑らかなタンニン、輪郭のくっきりした大きな果実味はブルネッロとは違った大きく緻密に構成をされています。私の記憶にあるキャンティは、比較的に細く凛とした骨格をした味わいがあり。ブルネッロのような太い骨格をした優雅な味わいではないと思っていましたが。ブルネッロとは違った構成のしっかりした、頼れる味わいを感じさせてくれました。


カルダーロ社、アルト アディージェ トラミネール-アロマティコ“カンパネル”2006

2010-05-09 10:57:46 | 食・レシピ

Photo

このワインは、輸入がなくなりとても残念なワインです。しかし、購入した時はシャボシャボのワインでしたが。エイジングをすることで、その真価を発揮してくれるで、あろう期待をしていたワインです。
色は黄色を帯びた若い琥珀色です。記憶にあるリリースされてから間もなく飲んだ時の色と比較して、熟成を感じさせてくれる色になっています。2006年は天候に恵まれた年です。それと、瓶の形状が変更された年でもあります。そのことは、造りを変えた可能性があります。変えましたというアナウンスが無かったので、今となっては確認のしようがありません。しかし、否が応でも期待感が高まります。トラミネールらしいライチとバラの無限大に押し広がる香りと、南国の果実の一瞬が心躍る香りがあります。輪郭をすっきりとシャープに描かれた柔らかな酸、張りのある艶やかな果実味はアフターテイストにも鮮明に軌跡を描き、まどろみの中に引き寄せられる様な余韻が続きます。
ワインを楽しみながら感じたことは、アッボッカート(Abboccato)と言う用語が見当たらなくなったような気がしたことです。口当たりのいい、甘めのという意味です。以前は意識をして飲んでいなかったので、漠然とオリヴェートとしか思い浮かびません。それにしても、ドライなのに果実味がよいので甘めに感じる白ワインはイタリアならではの特徴だと思います。


ポッジョ レオーネ社、モンテックコ サンジョヴェーゼ リゼルヴァ 2006

2010-05-03 20:45:12 | 食・レシピ

Img_0444 新しくワインリストに加えられた赤ワインです。今年の春に行われた展示会で一目ぼれしたワインです。産地はラツィオ州との県境、モレリーノ ディ スカンサーノとモンテプルチアーノの間に挟まれた場所に位置をしています。だからと言って単純に中間的な性格をしているわけではなく。これほどほっくりした酸のサンジョヴェーゼは、私の記憶にはありません。そこが気にいりリストアップを決めました。
桑の実、カシス、アイリスの輪郭のくっきりした素朴で豊かな香りを感じます。基本的な香りはサンジョヴェーゼだと思いますが。桑の実の要素が加わると香りと味わいがどうしてもゴツクなる傾向があると私は思っています。しかし、このサンジョヴェーゼに関しては、森の黒い果実そのままのイメージを感じさせてくれます。複雑で純朴な味わい、黒砂糖から甘さを除いたミネラリーなアフターテイストは、このワインの特徴だと思います。