今回抜栓したイタリアワインは、ヴィッラドリアのバローロ(Barolo)2007年です。この年はブドウにとって非常に天候に恵まれた年でした。以前にも触れましたが。バローロとバルバレスコは2000年に入りワイン造りに原点回避のような現象が起こっています。このカンティーナのバローロは一貫して大樽で熟成をされますが。資料を見る限り、仕事の変化については触れていません。相変わらずの仕事をしているのだろうと思い。そろそろ、下降線が始まる時期に入ったのか、飲み頃が始まったのか確認のために味わうことにしました。それがいい意味で期待をはずしてくれています。旧態然とした仕事を何も考えずに、している訳ではなく。トレンドをしっかり捕まえているワイン造りをしていることがワインを通して窺うことが出来ます。これはもう、モダンバローロと云ってもよさそうだと思います。コメントを大幅に以下のように変えました。しかし、ネッビオーロのクローンについては、どのクローンが使われているのか解りません。資料用に書き置きしていると思ってください。
「複数の畑のネッビオーロ(ミケット、ランピア、ロゼ)を大樽で24ヶ月間の熟成をされます。凛とした心地よいエーテルの香りに、特徴的な色あせたバラとスミレの香りにクローブ、シナモン、桑の実、オレンジピールの香り。すっきりと引き締まり滑らかな飲み口。骨格のしっかりとしたボデイに、調和のよい重厚で柔らかな果実味、密に引き締まった芳醇なタンニンと滑らかな酸、心地よい苦みは、熱く力強く鬩ぎ合いながらもバランスのよいグルーヴ感があります。」
今回、抜栓したイタリアワインは2本です。モンテキアーリ(Nero di Montechiari Toscana I.G.T. NV)のピノ ネロはカルダーロ(Alto Adige Pinot Nero “Saltner”2004)のピノ ネロの前日に抜栓したワインです。モンテキアーリのピノ ネロは見事に予想をはぐらかしてくれたワインでした。何か書き残そうとしても、言葉が見つからず、もやもやした気持ちを翌日に持ち越し、ピノ ネロつながりでサルトネルを抜栓しました。
サルトネルは香りと味わいがふっくらした印象だったのですが。これが重厚な香りと味わいになっていました。外観は曇ったところの無い若々しさがあり、酸は綺麗で透明感はありますが、その他は繊細さに欠けていると思います。ガサツな感じはしないのですが。甘いと感じる果実味が丸みを帯びた酸や滑らかなタンニン、複雑な味わいをブリブリ感で、その場の雰囲気を壊しているように思えました。他愛のない可愛らしさと思えばいいのですが。結構なエイジングをしてあるので「お譲ちゃん、かわいいね!」では済ましたくはなく、これこそが「コワシ」ている、である。前日のモンテキアーリはこれが盛って盛ってと、いった感じで確かに華麗だが、一本調子な感じがして見せ場がないと感じました。