ワインリストに新しく、ソアーヴェ クラッシコ “ラ ロッカ”を加えました。このワインは以前、ソアーヴェを充実させる時にバリックで熟成されたワインの候補に入っていたのですが。その時はリストに入らなかったワインでした。しかし、今年もワインの評価本の評価が高く、テクニカルシートに何気に目をやると、熟成が大樽とフストとありました。気持ちが動き、リストに加えようと思ったのは「遅摘み」に反応したからです。
以前は“ラ ロッカ”と“デゥ ロト”は似ているような印象を持っていました。熟成もバリックと同じならば、どちらかでよいと思っていました。しかし、今回は樽の大きさや遅摘みされたガルガネガといった違いと。以前に書き留めていた“ラ ロッカ”の「扇情的で一徹で懐が深い」と“デゥ ロト”の「精緻で融通の利かない頑固」の違いは、悩んだ末に考えたコメントではないと記憶をしています。その時はすんなりと“デゥ ロト”をリストアップしたので、今となっては思い出せませんが。似て非なるワインとの思いが、今回「遅摘み」に反応したのではないかと思っています。
トルジャーノ ロッソ Ris. “ルベスコ Vig. モンテッキィオ” (Torgiano Rosso Riserva “Rubesco Vigna Monticchio”)2006をワインリストに追加しました。
このイタリアワインは長い大樽での樽熟が仇となり90年代は評価が低迷します。80年代の高い評価は「オー メドックの熟成した赤ワイン以外にはめったに見られない味わい」(B.アンダーソン)と言わしめたほどでしたが。サンジョヴェーゼの醸造技術が進歩してくると、ぼろが見え隠れしたワインだと思います。しかし、ただ手を拱いていた訳ではないと思います。世紀が変わると評価を上げてきます。久しぶりに、テクニカルシートに目をやるとバリックで12ヶ月間の熟成の後、数年の瓶熟とあります。ただ長ければよいというものではなく、テクニックはメッセージを伝える道具に過ぎないことだと思います。数年前に試飲した時に、感じたかことは押せば押しただけ引いてくる、柔軟性と深遠さが備わったワインだなと思われ。ウンブリア、エミリア ロマーニャのサンジョヴェーゼはブドウの個性がトスカーナとは違うことを実感させられます。