今回抜栓したイタリアワインは、フランチャコルタ ブリュット プリマ キュヴェ モンテロッサ(Franciacorta Brut Prima Cuvee Monterossa)です。今回試飲したのは、フランチャコルタの再構築のためです。今は在庫が掃けてしまいましたが。それまで、ブリュットだけで4種類もありました。それぞれの特徴は捉えていたと思います。しかし、何となく頭の中のモヤモヤとした感じを整理するために、テクニカル データーの読み返しとワインの飲み直しをしているところです。
その中でベッラヴィスタはブリュット キュヴェをブリュット ミレジマートへ変更をされていました。ピノ ビアンコを抜き、ヴィンテージを入れたことが意味することを読み解くことはできませんが。アクのように感じる酸を排除し、クリーンな果実味を目指しているのかな、と思っています。
これで、エルブスコ村を中心とした東側の氷堆積土壌の影響を受けた地区と、受けなかった西側のモンテチェリ ブルサティを中心とした地区に分けました。しかし、残念だったのが、ヴィッラのスプマンテは価格が上がり過ぎのため試飲を断念したことです。後は、アンティカ フラッタのフランチャコルタを試飲しコメントを書き換え、個性を解り易くしておくつもりです。
モンテロッサのフランチャコルタは何かが突出していない、とても調和のよい味わいです。
今回のイタリアワインはメトド クラッシコで造られた“タメッリーニ” エクストラ ブリュット ミッレジマート (Tamellini extra brut millesimato)2009です。ブドウはガルガネガ100%を、一次発酵まではソアーヴェと同じ、ステンレス タンクで同じ発酵工程をたどり、その後に、瓶内2次発酵を36ヶ月間されノン ドサージュで出荷されます。
黄色い林檎、白桃、アプリコット、グレープ フルーツのフルーティーな香りにハーブ、オレンジピールのふっくらした重層的で優雅な香り。弾力のある豊かな味わいと相まって、ソアーヴェにこれほどまで華やかなワインがあったかな、と考えながら味わっていました。酸は優しく澄んでいて透明感があり、弾力がある果実味は上品さがあります。しかし、もう少し酸があってもいいように思えます。今回なぜに試飲用に買ったかというと、ソアーヴェのスプマンテはこの仕事に就いたころ、実に美味しいなと感じていたワインだったからです。フランチャコルタやトレントを飲み始めると少しずつ記憶が薄れて行きましたが。今回、補充するワインがあってので、ついでに買った次第です。入荷量が少ないので、次回の発注まであるかどうかわかりませんが。余裕があれば、5年後を楽しみに買い置こうかと考えています。
今回のイタリアワインは、“トゥリウスコ” プリミティーヴォ プーリア 2001です。このワインは10年かけて5本を売り、最後の1本を抜栓しました。このワインを買った時は、南イタリアのワインの良さをおぼろげながらでも認識できるようになった頃です。しかし、この最後の1本は5年くらい忘れさられたような状態でした。ですから、酸化の状態を確かめるつもりで抜栓したようなところがあります。しかし、グラスに注いでみると外観は透明感がありくすんでいない、色合いも生き生きとしていて艶があります。ブラック ベリー、プラム、スグリ、コーヒーの香りは、その物の香りではなく、ワインが特有に放す香りです。ミネラリーで清涼感のある香りもあります。タンニンは滑らかで酸も穏やか、バランス良く生き生きとした果実味は、味わいが重層的ではないし複雑でもないが、確かな存在感は十二分にあります。余韻は中程度、フェードアウトの仕方がきれいです。
期待をしていなかっただけに、喜びもひと押し。ただ果実味だけのワインと揶揄していた時期もありましたが。太陽の恵みを独り占めしたような健康的なワインと思えば。多少おてんばなところは大目に見たいと思いました。
今回のイタリアワインは、今月の初めに抜栓したフランチャコルタ サテン(Franciacorta Saten)のヴィンテージ違い、2001年です。1999年は以前にも触れましたが、ガス圧がかなり落ちてきていると思われたので、2001年の状態を確認するために抜栓をしました。とはいっても、フランチャコルタのガス圧は6バールに対してサテンの規格は4~4.5バールなので、今回のようにエイジングを目的にすることは、問題があるのかもしれません。しかし、この2001年は泡の存在感は十分にあり、サテンというだけにシルキーな泡が喉をなでていきます。香りは洋梨やリンゴ(金星)、セージ、サワークリームの立体的でゆったりと安定感があります。刷毛でさっと一塗したような酸にシルクのリボンで束ねられたような果実味はグラデーションがくっきりした優雅な味わいがあります。サテンは熟成感を目的にすることには不向き、そもそも、ガス圧をなぜに抑えられているのかを考えると。意味のないことだと思います。因みに映っているグラスは25年前にムラーノ グラスです。
今回のイタリアワインは、銘柄変更をした2種類と新規を1種類、試飲用が1本です。アルターレはお飾りのようなワインです。バルバレスコ “パヨレ”2010は4本を発注したのですが、在庫が1本しかなく、残り3本はキャンセル待ちの状態です。これはプリミティーヴォの入荷を待って発注したのが原因です。予約をしておけばよかったと後悔しています。試飲用はタメッリーニ社のワイン、ソアーヴェと同じブドウ(ガルガネッガ)から造られるスプマンテです。醸造はシュールリー36ヶ月間の瓶内2次発酵、残糖表示はエクストラ ブリュット。コンディショニングを整えてからレポートを書くつもりです。しかし、輸入量がたくさんないので、終売になっている可能性もあります。