今回のイタリアワインは、今月の初めに抜栓したフランチャコルタ サテン(Franciacorta Saten)のヴィンテージ違い、2001年です。1999年は以前にも触れましたが、ガス圧がかなり落ちてきていると思われたので、2001年の状態を確認するために抜栓をしました。とはいっても、フランチャコルタのガス圧は6バールに対してサテンの規格は4~4.5バールなので、今回のようにエイジングを目的にすることは、問題があるのかもしれません。しかし、この2001年は泡の存在感は十分にあり、サテンというだけにシルキーな泡が喉をなでていきます。香りは洋梨やリンゴ(金星)、セージ、サワークリームの立体的でゆったりと安定感があります。刷毛でさっと一塗したような酸にシルクのリボンで束ねられたような果実味はグラデーションがくっきりした優雅な味わいがあります。サテンは熟成感を目的にすることには不向き、そもそも、ガス圧をなぜに抑えられているのかを考えると。意味のないことだと思います。因みに映っているグラスは25年前にムラーノ グラスです。
今回のイタリアワインは、銘柄変更をした2種類と新規を1種類、試飲用が1本です。アルターレはお飾りのようなワインです。バルバレスコ “パヨレ”2010は4本を発注したのですが、在庫が1本しかなく、残り3本はキャンセル待ちの状態です。これはプリミティーヴォの入荷を待って発注したのが原因です。予約をしておけばよかったと後悔しています。試飲用はタメッリーニ社のワイン、ソアーヴェと同じブドウ(ガルガネッガ)から造られるスプマンテです。醸造はシュールリー36ヶ月間の瓶内2次発酵、残糖表示はエクストラ ブリュット。コンディショニングを整えてからレポートを書くつもりです。しかし、輸入量がたくさんないので、終売になっている可能性もあります。
今回、抜栓したイタリアワインはロエーロ プリンティ(Roero Printi)です。ロエーロのエリアのネッビオーロは軽妙で滑らかなタンニンが特徴だと思っていましたが。決して硬いタンニンではなく、これが、威風堂々としたタンニンには驚かされました。バローロと比べても質感の違いはあります。しかし、ロエーロで造られるネッビオーロが、これくらい構造が大きいと、ワインの案内の仕方を変えなければいけないと考えています。このことが、間違った方向に向かっている訳ではないので、心配はしていません。それにしても、前々回抜栓したマルネ ブルーネの立ち位置の違いを、どのようにしようかと考えあぐねています。
ラズベリーやイチゴの特徴的な香りはバローロには見つけ難いと思います。ふっくらした酸には笑みを浮かべたくなるような愛らしさがあります。ゆったりとした弾力のある果実味に、張りのあるしっかしたボデイ。調和の良い味わいに、ミネラリーなアフターテイストが心地よく感じられます。余韻が「ジーン」と内側に向かってフェードアウトしているように感じられました。
飲んでいて楽しくなるようなワインでした。10年を過ぎた1997年の熟成感がどのようになっているか、とても気になります。しかし、在庫が少ないので飲んでしまうのが、どうかと思っています。