イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

イル ボルゴ

2017-09-21 14:08:23 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはプーリアのイル ボルゴ(”IL BORGO” Rosso Salento I.G.T.)2015です。

プーリア州でプリミティーヴォとネグロアマーロから造られる、1500円前後の、フード フレンドリーなワインです。南イタリアのワインは少しずつですが、その良さを理解できるようになりました。

このプリミティーヴォついては酸の使われ方に最近、共感するようになりましたが。しかし、このネグロアマーロについては、果実味ありきの感があり、扱いこなせずにいました。何に対しても絡んでくる果実味を鬱陶しく感じ、重厚なのか、いたずらに大きいのか、事故消化できませんでした。

イル ボルゴはプリミティーヴォ由来のバルサミコのような優しい酸に、ネグロアマーロ由来、と思われる滑らかなタンニンとふっくらした果実味のバランスが整っているように思えました。プリミティーヴォを両脇からネグロアマーロが支えているような感じがしました。これならば、白身のあっさりしたお肉料理には果実味やスパイシーさが隠れている味わいをサポートしてくれそう。赤身のお肉料理ならば滑らかなタンニンや酸が食を進めてくれそうな気がします。キンキやホッケの開きを炙った、魚料理でも行けそうな気がします。


ロッカ グイッチャルダ

2017-09-13 14:13:24 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはキャンティ クラッシコ リゼルヴァ “ロッカ グイッチャルダ”(Chianti Classico Riserva “Rocca Guicciarda)1999です。

3000円そこそこで買えるキャンティ クラッシコのリゼルヴァです。樽熟の期間が長くっ若いうちはタンニンや酸のアタックが強く、それを楽しむか。今回のように瓶熟を長くして柔らかさを楽しむ方法もあります。結果的には、無駄に瓶熟を長くしたかな、と感じました。しかし、タンニンは口蓋に不快にへばり付く事無く、酸は綺麗に角が取れえていました。その余韻は淡雪が溶けてゆくようにフェードアウトします。しかしながら、10年以上の時間の変化を見つけられなかったことが、残念でした。香も開けたては、アイリスを思わせる香りに森の黒い果実を感じながら、次を探していると。少し間を開けてからヨウド香を拾います。そのヨウド香が気になり始めると、いちいち邪魔をされているような状態になりました。過剰な反応と言われればそれまでですが。何か楽しみを意地悪されているようでした。

気に障る点はありましたが、瓶熟を長めにしなければ得られない香りと風味でした。


フラスカーティ サンタ テレーサ

2017-09-03 21:28:59 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはフラスカーティ スペリオーレ セッコ “サンタ テレーサ”(Frascati Superiore Secco “Vigneto Santa Teresa”)2008です。

3000円以上のフラスカーティを見たことがなく、1000円前後のフードフレンドリーなワインが多くあります。その中にあって、熟成感を楽しめるフラスカーティがあります。その中にサンタ テレーサがあり、3年から10年ぐらいの間の経年経過を楽しめます。

バナナ、アプリコット、黄色いリンゴが入り混じった香りと味わいは複雑と言うよりは渾然一体、と言った感じです。何よりセージやオレガノを噛んだ時の円やかなほろ苦さの味わいとアフターテイストは、フラスカーティをすぐに思い浮かべます。そして、このほろ苦いフラスカーティはサルティンボッカを一瞬で結び付けてくれます。