ひらのかおるタウン通信

ひらのかおるの日々の暮らしや市民活動の中で、みなさんにお伝えしたい情報や雑感などを綴っています。

議員研修

2013-01-23 | Weblog
1月21日午後に島本町議会後期議員研修が開かれました。
講師は新潟県上越市健康福祉部長 野澤 朗氏による「健診から始まる健康づくり 全ては住民の気付きから」と言うテーマで講演をお聞きしました。
実は昨年8月に上越市には民生消防常任委員会の視察で伺い、お話は一度お聞きしています。全議員や幹部職員のみなさんにも、野澤部長の職員としての姿勢にも触れていただく機会があり、良かったです。

パワフルで自分で考え判断し行動するという、(失礼ながら)役人らしからぬお人柄に圧倒されます。14の自治体の市町村合併の推進役などを経験され、大変なご苦労があったようで、「島本町さん、合併しないのは正しい選択です」と冒頭から明快です。

上越市は人口205,145人、高齢化率26.11%です。冬は雪に閉ざされる、面積は東京23区の2倍です。「健康への取組みが社会保障費に影響する」ということを上越市の実践から報告していただきました。
「介護給付費は年間7~9%増で推移、介護保険料が全国第3位、一人当たりの医療費も県内第3位と高水準で、一般会計からの繰り入れも多く、市財政を圧迫していた。介護給付や医療費の実態の把握と分析から、要介護の重症化傾向と認知症の増加は脳や心臓の疾患による脳卒中などで重症化していることがわかった。国の介護予防(筋力低下を防ぐ)では重症化の対策にならない。脳や心臓の疾患にいたる高血圧や糖尿病などは生活習慣により予防が可能なので、健診と保健指導が重要である。生活習慣病の予防を通じて医療費と介護給付費を削減することを、市の優先課題として位置づけ200箇所の健診会場と300箇所の結果説明会会場を設け、50人の保健師による戸別訪問は最初は900件だったのが、今では年間10000件も訪問し、受診促進と受診後のフォローの保健指導を行っている。訪問できなかった人の要介護状態への移行率は2年目も訪問できた人の4倍近い。糖尿病で受診している人で22・23年度で健診受診をし保健指導を受けた外来医療費は、健診受診しない方と比べ13,597円(24年5月の一人当たり平均単価)差がある。子どもから高齢者まで生涯を通じた健康づくりの支援体制ができている。訪問を通してケアの必要な障がい児や生活困難事例や虐待なども発見でき支援体制につながる。」

保健師さんを中心とした健康づくり事業、ひいては社会保障費の削減につながる実践について、2時間があっという間に過ぎる程、精力的に報告していただきました。保健師さんの活動を信頼し、その仕事を十二分に活かした取組みを可能にされたのです。

医療の必要な方の受診抑制をすすめるような単なる医療費削減、民生費削減ではありません。丁寧に保健師(職員)が住民の生活実態を知り、住民に寄り添う健康づくり活動が行われているものです。

最後におっしゃった「市役所は困っている人を助けるところ、最初は広い間口、最後はたのみの綱、制度では救えない、人は人でないと救えない」と言う言葉は、行政に関わるもの(議員も含め)は心しなくては、と思い直す機会でした。野澤部長には遠くから5時間もかけて車で駆けつけていただき感謝いたします。有意義な議員研修でした。