とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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はやぶさ

2005年09月15日 21時12分26秒 | 科学
日本の科学技術が世界でもトップレベルにある理由に、漫画家手塚治虫の貢献が大きいという説がある。
鉄腕アトムに代表される手塚漫画は戦後の少年たちを半世紀近くの間、夢の世界へ導いた。
「ロボット」
「弾丸列車」
「宇宙旅行」
「高速道路」
「電気自動車」
「電子頭脳」
「無免許医」
「ヒョウタン継ぎ」
などなど。
これら20世紀半ばでは夢物語であったテクノロジーを子供たちをして現実にしてやろうというイマジネーションを与え、奮い立たせたのが手塚漫画というわけだ。
そして出来の善し悪しは別にして、今日そのほとんどが日本の得意分野として実現されたということは、手塚漫画貢献説はあながち否定できないものであることを臭わせている。
天然資源の少ない日本にとって、科学漫画のイマジネーションで育った科学技術と人材は、他国になかなか真似の出来ない資源となった。

ここ一週間、各紙の紙面で地味に伝えられているニュースがある。
「はやぶさ」
関連のニュースである。
はやぶさといってもJRの特急列車の名前ではないし、往年の戦闘機の名前でもない。
我が国が放った無人惑星探査船の名前だ。
この「はやぶさ」が先週末、目的地の小惑星に到着し、至近距離で停止した。その精度、なんと毎秒0.25mm。
日本の宇宙船の姿勢制御技術が凄いことを初めて知ったニュースだった。

しかし、この惑星探査機の凄いところは姿勢制御技術ではない。
この惑星探査機はこの小惑星に接触し(相手が小さいので着陸できないのかな)その小惑星の石を採取して、なんと再来年日本へ持ち帰るのだという。
人類が地球以外の岩石を持ち帰るのは、月の石に続いて2度目となる。
この偉業。
みんな凄いと思わないか。

どういうわけか、各新聞はこの誇るべき科学ニュースを小さく扱う。
日本の技術が凄い事をアピールすると、せっかく滅びかけている技術立国日本の蘇らせはしないかと、どこかの国の顔色を窺っているのか。
ちょっと疑いたくなる。
本物の人を感動させる技術は、漫画の世界より遥かに影響力があることを、知っていての確信犯か。

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