映画監督ロバートワイズが亡くなった。
享年91歳。
ロバート・ワイズという名前を聞いて、一番最初に思い浮かぶ映画といえば「サウンド・オブ・ミュージック」だ。
数々の名曲に彩られたこのミュージカルは日本でも多くの観客のこころを魅了している。
アルプスの雄大な山並みを背景にジュディー・アンドリュースが歌う主題歌「サウンド・オブ・ミュージック」や、子供たちに囲まれて歌う「ドレミの歌」など、誰もが口ずさめるような名曲が目白押しなのだ。
ドレミの歌に至っては私の小学校時代、音楽の教科書に掲載されていたくらい、有名な曲になったのだった。
しかし私には、これらどの名曲よりも、とりわけ心に残った歌があった。
それは「エーデルワイス」の歌であった。
トラップ大佐を演じるクリストファー・プラマーの歌があまりにヘタッピなので脳裏に張り付いて消えなくなってしまったからなのであった。
考えてみればプラマーという俳優は妙な雰囲気を持った役者さんであった。
20年の後、ダン・エイクロイドとトム・ハンクスが主演した「ドラグネット」で気持ちの悪い新興宗教の教祖様を演じてみたり、タイトルは忘れたが、B級SFで変態チックなキャラクターを演じていた。
これらを思うと、「プラマーはキショイ」という印象は、すでにこのとき多くの演出家の目にとまっていたのは間違いないだろう。
で、この監督のもう一つの名作ミュージカルといえば「ウエストサイド物語」。
とにかく、あの片足を高く上げてVノ字でポーズを決めたイラストが掲載されていたポスターばかりが記憶に残っている映画なのだ。
私の好きなNYフィルの指揮者であり作曲家のレナード・バーンスタインに作曲したミュージカルなので「組曲ウエストサイド物語」などはLPレコードで持っているから良く知っているが、なにぶん未だ全編を通して見たことがない映画だから、いったい何が凄いのかまったく分らない映画でもあるのだ。
さて、この監督は生涯の間に40作も作ってきた巨匠でもある。つまり40本も製作に携わった映画があるということは、そのなかに駄作も混じっていることは仕方のないことだ。
ミュージカル映画監督として知られているワイズ監督だが、SFやホラー映画も作っているのだ。
なかでも「アンドロメダ」(1971年作)はSF映画でも傑作の一つに数えることのできるA級作品である。(但し地味)
しかしワイズ監督の一級SF映画はこの一作だけで、あとの「地球が静止する日」「恐怖の島」などはB級作品であった。
とりわけワイズ監督がSF映画の監督として相応しくないと思わせてくれたのが1979年の「スタートレック」だった。
でもよくよく考えてみると、この「スタートレック」というようなSFカルトの総本山のような作品の監督を引き受けたこと自体がワイズ監督の「一生の不覚」だったのではないかと思えてくるのだ。
35ミリフィルムを作ったこともないようなロバート・エイブルを特撮監督に起用し大混乱。
20世紀foxのスターウォーズのようにお金の儲かる映画を期待したパラマウントからのプレッシャー。
そして、何処のどいつらよりも口やかましい「トレッキー」と呼ばれるスタートレックファンの狂気に対応しなければならなかったのだ。
思えば、気の毒な巨匠であった。
それが証拠に、この映画を撮影した後、1~2本しか映画を作っていない。
よほど老体に応えたのであろう。
ともかく映画の一時代を担った職人監督は往った。
謹んでご冥福を祈りたい。
享年91歳。
ロバート・ワイズという名前を聞いて、一番最初に思い浮かぶ映画といえば「サウンド・オブ・ミュージック」だ。
数々の名曲に彩られたこのミュージカルは日本でも多くの観客のこころを魅了している。
アルプスの雄大な山並みを背景にジュディー・アンドリュースが歌う主題歌「サウンド・オブ・ミュージック」や、子供たちに囲まれて歌う「ドレミの歌」など、誰もが口ずさめるような名曲が目白押しなのだ。
ドレミの歌に至っては私の小学校時代、音楽の教科書に掲載されていたくらい、有名な曲になったのだった。
しかし私には、これらどの名曲よりも、とりわけ心に残った歌があった。
それは「エーデルワイス」の歌であった。
トラップ大佐を演じるクリストファー・プラマーの歌があまりにヘタッピなので脳裏に張り付いて消えなくなってしまったからなのであった。
考えてみればプラマーという俳優は妙な雰囲気を持った役者さんであった。
20年の後、ダン・エイクロイドとトム・ハンクスが主演した「ドラグネット」で気持ちの悪い新興宗教の教祖様を演じてみたり、タイトルは忘れたが、B級SFで変態チックなキャラクターを演じていた。
これらを思うと、「プラマーはキショイ」という印象は、すでにこのとき多くの演出家の目にとまっていたのは間違いないだろう。
で、この監督のもう一つの名作ミュージカルといえば「ウエストサイド物語」。
とにかく、あの片足を高く上げてVノ字でポーズを決めたイラストが掲載されていたポスターばかりが記憶に残っている映画なのだ。
私の好きなNYフィルの指揮者であり作曲家のレナード・バーンスタインに作曲したミュージカルなので「組曲ウエストサイド物語」などはLPレコードで持っているから良く知っているが、なにぶん未だ全編を通して見たことがない映画だから、いったい何が凄いのかまったく分らない映画でもあるのだ。
さて、この監督は生涯の間に40作も作ってきた巨匠でもある。つまり40本も製作に携わった映画があるということは、そのなかに駄作も混じっていることは仕方のないことだ。
ミュージカル映画監督として知られているワイズ監督だが、SFやホラー映画も作っているのだ。
なかでも「アンドロメダ」(1971年作)はSF映画でも傑作の一つに数えることのできるA級作品である。(但し地味)
しかしワイズ監督の一級SF映画はこの一作だけで、あとの「地球が静止する日」「恐怖の島」などはB級作品であった。
とりわけワイズ監督がSF映画の監督として相応しくないと思わせてくれたのが1979年の「スタートレック」だった。
でもよくよく考えてみると、この「スタートレック」というようなSFカルトの総本山のような作品の監督を引き受けたこと自体がワイズ監督の「一生の不覚」だったのではないかと思えてくるのだ。
35ミリフィルムを作ったこともないようなロバート・エイブルを特撮監督に起用し大混乱。
20世紀foxのスターウォーズのようにお金の儲かる映画を期待したパラマウントからのプレッシャー。
そして、何処のどいつらよりも口やかましい「トレッキー」と呼ばれるスタートレックファンの狂気に対応しなければならなかったのだ。
思えば、気の毒な巨匠であった。
それが証拠に、この映画を撮影した後、1~2本しか映画を作っていない。
よほど老体に応えたのであろう。
ともかく映画の一時代を担った職人監督は往った。
謹んでご冥福を祈りたい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます