とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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国民生活が破綻する

2006年03月30日 21時49分44秒 | 政治
税制調査会が先日発表したステートメントは「税金を上げなくちゃ、国民生活が破綻しちゃうよ」というもので、これを聞いた私はこれ以上国民から金を吸い上げて一体なにに使うのか、と怒りを覚えた。
上げた税金の使い道は何なのか?
返せないくらい作り上げた借金の返済か。
それとも借金の金利だけの返済か。
本音は公務員や特殊法人、政治家先生の懐を豊かにすることが目的か。

小泉総理大臣が就任以来声高に叫び続けた「改革」の終着点は「増税」だった。
ただし小泉首相の狡いところは自分の手を増税で汚したくないので、増税の方針だけを作っておいて後身に実行させて汚名を着せようという作戦をとっていることだ。
国民に大人気の安倍晋三氏は腹黒小泉の策謀に注意するように。

思えば江戸幕府は偉かった。
農民を除く国民から税金はびた一文取らなかった。
農民にしても一部教科書の記述や三流テレビ時代劇にあるように「幕府や藩からの圧制に苦しめられ」なんてことはなく、日夜農業技術の向上を目指し、石高を上げ、年貢の米をちゃんと納め、時にはお伊勢参りなんていう観光旅行も楽しんだ。
道路整備や護岸工事などの公共事業を実施する時は必要な分だけ地元の有力企業から寄付を募って新築改築増築工事を行っていた。

税収が米しかないので役所は慢性的な財政不足に悩まされていたが、一部の高級官僚を除き「お役人様」は給与が低く生活するのが目一杯。
「武士は食わねど高楊枝」などというが、金銭的な給与は低い一方、国と民を守っているという意識は極めて高く、空きっ腹を抱えながら勉学と武道に励み善政を敷くことによって市民からの尊敬を集めた。
こうして数百年の平和と安定をもたらした。

ところがどっこい、現在の政府お役人は正反対。

上げるつもりの消費税は福祉に使うというが、介護保険や国民保険、厚生年金、保険や年金と言う名前の税金を集めてさらに消費税を使おうという福祉行政というのはいったい何?
福祉に携わる役人の給料を面倒見ろ、ということか。
だいたい医療費も高過ぎる。
医療保険が慢性的な赤字だというが、医療の世界はどういうわけか市場原理が働いていない不思議な世界。
健康保険が赤字で病院経営も赤字なら、どうして医者や製薬会社に法外な給料や代金を払うのか。
「医術は人命にかかわるから、高いんだ」
というあなた。
列車の安全運行は人命にかかわるから、大阪から東京までは片道10万円、なんてことをJRが言ったりしたら、あなた納得できますか?
入札制度を逆手にとって、なんでもない商品を市場価格の何倍もの価格で買っているのに知らん降り。
法律の手続きさえ良ければ問題なし。
出世にも影響しないし、自治体や国は民間企業と違って「赤字」でも高い給料と一時金が保障されている。

もしかすると、このままの財政を続けていれば国民の生活が破綻するのではなくて、役人やそれに類する人たちの収入と地位が破綻するので、アイデアも出さず努力もしないであんなステートメントと方針を出したのかも知れない。