とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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学歴社会

2006年03月02日 22時25分37秒 | 社会
「現代の日本の高校生は、高学歴を意識していない」

最近の「信頼できる(NHKおよび主要民放談)」世論調査により、日本の高校生は中韓や米国の学生と比べて上昇意識に乏しく、学歴などどうでも良い、と思っているとのことだ。

これをとらまいてニュースではさも深刻そうに報道していたが、果たしてそれは正しいのか。

ちなみにNHKや各主要民放に入局あるいは入社するには「コネクション」の他に、東大、京大、慶応早稲田、などといった有名どころの「高学歴」が必要だ。
だから放送局や新聞社の社員や職員にとって「学歴社会軽視」は深刻な社会現象に映るのだろう。

しかし、私は現代の高校生の方が現実的で「優秀」ではないかと思うのだ。

優秀な職人に学歴は不要だ。
戦後高度成長期を支えたのは中卒高卒の「優秀な労働力」だった。彼らが日本のハイテク製品を今も支えている。
芸能に学歴は不要だ。
東大を卒業しているからと言って、落語の語りが巧くなることは絶対ない。
京大を卒業しているからといって、狂言の極意を習得することは不可能だ。
S心女子大を卒業しているからといって、祇園でしゃみや太鼓でお客を接待することはできないだろう。

こういうことをテレビやラジオ、新聞雑誌を通じて今のティーンエイジたちが見ているからこそ「学歴にとらわれない」という世論調査結果がでてくるのに違いない。

ところで、「東大」を卒業し「財務省」に勤務して「代議士」になられた、学歴優秀、血統書付きの「先生」が、偽の電子メールを見抜けなかったことを、学歴社会信奉者は、どう説明するのだろう。
一度訊きたいものがあるのだ。