とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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お相撲さんはただのデブ

2006年03月14日 20時26分26秒 | スポーツ
大相撲三月場所が始まった。

私の会社のオフィスは大阪難波の外れにあり、相撲興行が行なわれている大阪府立体育館までは歩いて5分、走って2分の距離にあり、毎年このシーズンになると会社の近くを鬢付け油の香りを漂わせながら行き来するお相撲さんの姿が見られる。

お相撲さんは普通、丁髷を結って浴衣を着て、草履を履いて風呂敷包みを抱えて歩いている。
今どき丁髷姿の人を見かけることのできるのは大相撲開催地かその周辺、もしくは京都の太秦周辺ぐらいのものだろう。

ところで大相撲のシーズンになりお相撲さんが現れると、近所の食堂が大変のようだ。

3年ほど前まで府立体育館の前には一杯500円のカツ丼屋さんがあった。
500円とは安いので、時々昼食をここで食べていたが、ある日お相撲さんが2つ隣のカウンターで昼食を食べていた。
「どれぐらい食べるのだろう.......」
と思ってカウンターの上を見てみるとカツ丼が2つ並んでいる。
私と同僚が一杯のカツ丼を食べ終る間にお相撲さんはその2杯のカツ丼を食べ尽くした。
「すいません、特盛追加、お願いします」
まだ食べるのであった。

お相撲さんに食べ尽されたのか、そのカツ丼屋さんは店をしめてしまい今はまったく違う店になっている。

昨日、会社の近くの食堂に入るとお相撲さんが3人並んで定食を食べていた。
この食堂は大手チェーン店で定食を注文したお客さんは自分で電気ジャーからご飯をすくってお代わりできるシステムになっている。
私と大食いの部下のW君にはピッタリの食堂なのだが、当然ながらお相撲さんにもピッタリの食堂なのであった。
お角力さんは店の人が困るくらいお代わりを繰り返したのは言うまでもない。

こうなると「お相撲さん」は「イナゴの大群」と同じでかなり脅威な存在でもある。

で、これだけ食べるのだから「強いだろう」と思うのは浅はかで、外国人力士にその上位を奪われ、技術もないようなヘタッピな取り口で客は欠伸をしている。
結果的に「満員御礼」などという垂れ幕に出番はなくなり、落ち目のNHKは視聴率も落ちていくことになる。

私はどちらかというと体格の大きいほうなのでお相撲さんをとりわけ大きいと感じたことはないが、一度元若島津関と並んで平行に歩いたことがある。
この時テレビで見ても小柄っぽかった若島津関が引退後も筋骨隆々で強大なパワーを秘めているオーラのようなものが放たれているのを感じて感動したことがあるのだ。
しかし、昨日、体育館の前をすれ違った若いお相撲さんなんかは太っているだけの「ただのデブ」としか感じられなかった。

「頑張ってや!」と声を掛けるよりも「健康に気をつけて『スポーツジムにでも通えよ』!」と言いたくなるところがなんとなく悲しかった。