人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

下野竜也 ✕ 新日本フィル「不思議な納涼コンサート」のチケットを取る ~ これは絶対に面白いぞ! / 阿川佐和子著「アガワ家の危ない食卓」を読む ~ 食に関する抱腹絶倒エッセイ集

2024年06月19日 00時03分39秒 | 日記

19日(水)。8月17日(土)16時からすみだトリフォニーホールで開かれる「不思議な納涼コンサート」のチケットを取りました   長年クラシック・コンサートを聴いてきた私は、「これは絶対面白いに違いない」と直感しました これは「下野竜也プレゼンツ! 音楽の魅力発見プロジェクト」の第11回目の公演で、オーケストラ付きレクチャーコンサートです   出演は管弦楽=新日本フィル、ピアノ独奏=大井駿、合唱=栗友会合唱団です プログラムは下のチラシの通りですが、滅多に聴く機会のない作品が多く、その意味でも貴重なコンサートです チケット代も4500円とリーズナブルです。お薦めします

     

     

ということで、わが家に来てから今日で3445日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は17日、国防省の次官人事に関する大統領令に署名し、自身のいとこの娘、アンナ・ツィビリョワ氏(52)を国防次官に任命したが、国防次官への抜擢は異例である  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     国防省では幹部が汚職で相次いで逮捕されてるから 身内しか信じられないようだな

         

昨日、夕食に「茄子と鶏肉の炒めもの」「生野菜とアボカドのサラダ」「大根の味噌汁」を作りました 「茄子と~」は豆板醤がピリッと利いて美味しかったです

     

         

阿川佐和子著「アガワ家の危ない食卓」(新潮文庫)を読み終わりました 阿川佐和子は1953年東京生まれ。慶応義塾大学卒。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。「ああ言えばこう食う」(檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、「ウメ子」で坪田譲治文学賞、「婚約のあとで」で島清恋愛文学賞を受賞 ベストセラーとなった「聞く力」など著書多数

     

本書は2011年から12年にかけて雑誌「クロワッサン」(マガジンハウス)に「残るは食欲」と題して連載した15編と、その後、雑誌「波」(新潮社)に「やっぱり残るは食欲」と改題して連載した18篇をまとめたものを2020年3月に新潮社から単行本として刊行、それを2022年11月に文庫化したものです

タイトルからも分かるように本書は「食に関するエッセイ集」です 冒頭の「旨いプレゼント」では父・阿川弘之氏のことが書かれています

「2015年に他界した父の口癖は、『死ぬまであと何回飯が食えるかと思うと、1回たりとも不味いものは食いたくない』であった たまたま自分の気に入らない食事に出くわした日には、『1回損した。どうしてくれる!』と本気で憤怒したものだ

こういう父親だからこそ、母親は料理が上手にならざるを得ず、娘も期待されることになります 母親が病気になった時など、娘である佐和子さんが料理を作ることになります 中学生の時の思い出を概要次のように書いています

「母が家を留守にして、私が父のためにご飯を作る羽目になった。私は張り切った 皮付き豚肉ブロックを買ってきて6時間以上かけて苦心の逸品を作り、父親に食べてもらった 父は料理の一かけをちぎって口に入れ、顎を上下に動かして、しばらく味わって・・・と思われたその直後、父は私の顔を見て、ニコニコ語りかけたのである。『よし、明日はなんか旨いもん、食いにいこう!』。それが精一杯の私に対する心遣いだったと、今はかすかに納得できる 露骨に『まずい!』と言ってはなるまい。でも嘘はつけない。はて、なんと言ってこの場をしのごうか、その結果、口から出てきたのは、『明日は旨いもん』だったのであろう

この後、彼女は食材の買い出しから料理の完成まで いかに大変な努力をしたかをとうとうと書き連ね、「『うん、なかなかよくできているぞ。頑張ってくれてありがとう』そんな言葉は一語とて、父の口から発せられなかった」と嘆いています この”事件”は中学生のアガワさんにとって相当ショックだったようですが、気持ちは良く分かります

食に関するエッセイなので、アガワさんが作る料理も登場しますが、中にはすぐにでも作れそうな料理が紹介されています 例えば、

「ニラと豚肉の中華炒めは私の得意料理である 豚バラ肉の薄切りとニラをそれぞれ細長く切って、ニンニク、生姜のみじん切りとともに油で炒めて醤油で味付けするだけ 簡単で、しかもご飯によく合う 同じく豚バラ薄切りと、ピーマン、シイタケ、トマトを炒めた料理も簡単でおいしい

これなら自分にも作れそうだ、今度チャレンジしてみようと思いました

読んでいて「そうだ、その通り」と激しく膝を打ったのは「おまけの勝ち」というエッセイの冒頭の2行です

「晩ご飯を作るとき、何がいちばん面倒かと言えば、献立を考えることである 献立さえ決まれば、その方向にまい進すればいい もっとも、メインの料理が決まっても、その料理に合うもう1品、2品の副菜を何にするか決まらない

この悩みは普段から料理を作っている人でなければ分からないだろうな、と思います 私の場合は週5回夕食作りをしていますが、隔週金曜日を「鶏の唐揚げの日」と決めている以外は、その日に献立を決めているので、優柔不断というか、日和見主義というか、とにかく行き当たりばったりの素浪人のごとしです ただ、心がけているのは主食は肉類(牛、豚、鶏)、魚類、野菜類のバランスを取って日替わりにすること、必ず副食に野菜サラダを用意することです

食べる物以外で面白かったのは「二度使い」というタイトルのラップにまつわるエッセイです

「私はラップを二度使いするオンナである そんな話をテレビのバラエティ番組で他意なく披露したところ、『えー、アガワさんって、一度使ったラップをもう一度、使うんですか?』と司会者に言われた いろいろと説明すると、司会者から、『そこまでケチって、いったいどんだけお金貯めるつもりですか?』と言われ、たちまちガッハガッハとスタジオじゅうに笑い声が上がり、収録は終わった その後、いろいろな人から「ラップ二度使い」の話ばかりされた これほどの反響は、編集者ヤギの話では『ブラジャー事件以来です。ラップ二度使い発言は、それに勝るとも劣らぬ衝撃です!』と言われた

ブラジャー事件というのは、『ブラジャーなんて毎日洗う必要はない。2~3週間に1度くらいでいい」と言ったら、その場にいた5~6人の旧友女子が呆れてのけぞった・・・という事件です アガワさんはなぜラップを大切に使うかについて次のように書いています

「そもそもラップの気持ちになって考えてもらいたい 工場にて、芯にぴっちり巻かれて長細い暗い箱に閉じ込められて幾星霜。ある日突然、箱が開き、光が差し込む。清潔な指先で端をつまみ上げられ、ロールがゴロゴロと動き出す。『じゃ、お先に!』『うん、頑張ってきてね、お兄ちゃん!僕たちもすぐ後に続くから!運が良ければまた冷蔵庫で会おう!』。ラップ家族と別れを告げ、勢いよくシュルンと引っ張り出されてシャッと切断され、いよいよ長男ラップは自立の瞬間を迎えるのだ。よし、活躍するぞ 僕のお役目はいったいなんだろう。まもなく長男ラップは大きなボウルの上に貼り付けられる。下を見ると、マヨネーズで和えられたジャガイモ、玉ねぎ、キュウリ、ゆで卵、人参、おお、リンゴ君もお揃いだ そうか、僕はこの出来立てのポテトサラダをお守りするんだな。ガッテン承知いたしました 野菜の皆さん、お元気ですか。僕がここで膜を張っているかぎり、外部の雑菌や埃は侵入できません。もちろん虫の乱入も阻止します。お皿に移されるまで、どうか安心してお過ごしください。長男ラップはサラダ軍団に声をかけながら、内心でかすかに安堵している。よかった、電子レンジ行きじゃなくて・・・

どうでしょう、この感性 薄くて透明なラップにも物語があるのですね これをラップで歌ったら受けるかもしれません

アガワさんは「文庫本あとがき」に次のように書いています

「芝居やコンサートへ赴くと、会場で待ち合わせた友だちの顔を見るなり、つい声をかけたい衝動にかられる。『終わったら、何食べる?』」

これを読んで、誰かがどこかで同じようなことを書いていたことを思い出しました 正確には、「芝居やコンサートが終わった後、男性はいま観た芝居や いま聴いたコンサートのことを語りたがるが、女性はこれから何を食べようかと考える」という内容です これは男性・女性というよりも、人それぞれだと思いますが、何となく分かるような気もする自分がいます

その「あとがき」の最後の1行は、いかにもアガワさんらしい終わり方で、思わずニヤリとしてしまいました


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