人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

内池久貴著「東京CLASSIC地図」を読む~渋谷の名曲喫茶「ライオン」ほか東京のクラシック音楽ガイドブック

2018年03月10日 08時06分27秒 | 日記

10日(土)。わが家に来てから今日で1256日目を迎え、訪米した韓国大統領府の鄭義浴国家安保室長が8日、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長からの要請を受け入れ、5月までに米朝首脳会談に応じる意向を示したことを明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 拉致された人たちが全員無事に帰国できたら 北朝鮮を信じることが出来るかな?

 

    

 

昨日、夕食に「カレーライス」と「生野菜と生ハムのサラダ」を作りました カレーはいつもビーフカレーなのですが、たまには鶏肉もいいかな、と思ってチキンカレーにしました

 

     

 

    

 

内池久貴著「東京CLASSIC地図」(散歩の達人POCKET:交通新聞社)を読み終わりました この本は東京都内の名曲喫茶を中心に、生演奏が聴けるレストランやバー、クラシック音楽専門レコード店、音楽ホールなどを写真入りで紹介したクラシック音楽ガイドブックです

いつものように、目次によってこの本の概要をご紹介することにします

CHAPTER1「名曲喫茶」~昭和から平成へ、文化の発信基地の現在。全160ページのうちこの名曲喫茶に95ページを割いているほど力を入れて取材しています

CHAPTER2「レストラン&バー」~生演奏をBGMにしてしまう贅沢な夜の過ごし方

CHAPTER3「音楽ホール」~名門ホールから寺院まで音楽を楽しめる場所たち

CHAPTER4「クラシック音楽専門店」~ネットを遮断して休日には街に出よう!

 

     

 

「はじめに」の中で、池内氏は次のように語っています

「もしものことだが、渋谷の道玄坂にある『名曲喫茶ライオン』が世界遺産に登録されたとしても驚きはしない。昭和元年(1926)の創業で、東京大空襲により全焼。昭和25年にかつての建物を甦らせるように再建された。その建物がそのまま平成に受け継がれているのだ。一歩その店内に足を踏み入れたなら、それだけでもタイムスリップした気になれる。というよりも、昭和の時代にはこんな空間が喫茶店であり得たのか・・・と息を呑む」

これは一度でも「ライオン」に行ったことのある人ならすぐに理解できます 暗い店内の正面に鎮座する巨大スピーカー、ほとんどすべてがスピーカーに向けられた椅子の数々、膨大なLPレコード・・・クラシックの迷宮に忍び込んだかのようです  リクエストではバロック、古典派、ロマン派の曲がかかるケースが多い、ということは極めて保守的なリスナーが集まっている証拠か かくいう私も、もしシェーンベルクがかかったら帰るけどね

「昭和の時代にタイムスリップ」ということで言えば、中野にあった伝説の名曲喫茶「クラシック」に初めて入った時の衝撃は忘れられません 昭和20年(1945)創業のお城のような構えの店内に入ると、暗い店内の板張りの床はギシギシいい、壁には店の主人で画家の美作七郎氏の手による絵画が掛けられ、コーヒーを頼めば、一緒に付いてくる小さなミルク入れの器はキューピーマヨネーズのフタで、水はワンカップ大関のコップだったりしました 不思議なことに私が行った時は2度ともホルストの「惑星」がかかっていました

「クラシック」は後継者がいなくなり平成17年(2005)1月に店仕舞いになってしまいましたが、店内の一角をそっくりそのまま阿佐ヶ谷の「ヴィオロン」に移築し受け継いでいるとのことです また、「クラシック」で働いていた2人の女性がLPや家具・調度品を引き取り、平成19年(2007)11月から高円寺で「ルネッサンス」というクラシック喫茶を営んでいます いかに中野の「クラシック」の存在が大きかったかということです 私は「ルネッサンス」には一度行ったことがありますが、「一角」だけに狭すぎという印象が残りました 「ヴィオロン」はまだです。是非訪ねてみたいと思います。無くならないうちに

異色なのは、埼玉県川越にある「アマデオ」です。この店は10年くらい前にある週刊誌で紹介されていたのを勤務先の人が教えてくれて、休日に訪ねてみたのですが、普通の民家のような喫茶店で、中古レコードも販売しています 喫茶店ですが、コーヒーしかありませんでした。頼むとご主人がコーヒーミルに豆を入れてガリガリと弾いて淹れてくれます。単純です。LPレコードを聴きながらコーヒーを飲んでいると幸せな気分になったものです

この他、高円寺「ネルケン」、荻窪「ミニヨン」、吉祥寺「バロック」(一度行った)、国分寺「でんえん」、新宿三丁目「らんぶる」(何度か行った)、淡路町「ショパン」などが紹介されています まだ1度も行ったことがないお店がほとんどです。「らんぶる」と言えば、新宿歌舞伎町にもあったし、銀座にもありました。歌舞伎町は風俗産業に押され、銀座は火事に遭いました。両店とももう存在しません 高田馬場には「あらえびす」というクラシック喫茶がありましたが、一度行ってみようと思っているうちに消えてしまいました

この本で紹介されているクラシック喫茶店の店主に「お店でよく流れる名曲&名盤」を訊いていますが、ワルターのモーツアルト「第40番ト短調」だったり、カザルスのバッハ「無伴奏チェロ組曲」だったり、フルトヴェングラーのベートーヴェン「田園」だったり、グレン・グールドのバッハ「ゴルトベルク変奏曲」だったりと、極めてコテンコテンの古典音楽で驚きます しかも演奏者は故人ばかりです クラシック喫茶に来るお客の多くは頭の中が昭和でストップしてしまっているのではないか、と思ってしまいます かく言う私も例外ではないかも知れませんが。古い奴だとお思いでしょうが、古い奴なんです

楽しそうなのはCHAPTER2「レストラン&バー」です 生演奏を聴きながらビールやワインを飲むなんて最高の贅沢です ここでは、「音楽ビアプラザ ライオン銀座店」、「オペラサロン トナカイ(サン・ミケーレ)」(大門)、「アルテ・リーベ」(横浜)などが紹介されています 「アルテ・リーベ」は新聞博物館が入居している横浜の情報文化センター1階にありますが、10年以上前に みなとみらいホールで開かれた「ヒラリー・ハーン+ヤンソンス+ベルリン・フィル」のコンサートの前に食事をしたことがあります 海外の演奏家がピアノ三重奏を演奏していました

クラシック音楽のガイドブックとして鞄に入れてクラシック喫茶やバーに出かけてみてはいかがでしょうか  新しい出会いや発見があるかも知れません

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